日本旅行業協会(JATA)の金井耿会長は6日、年頭の記者会見を東京・霞ヶ関のJATA本部で開いた。経済の不況が続き、新型インフルエンザの感染も拡大した昨年を「厳しい荒波にもまれ続けた1年」と振り返り、「今年はそういう状況から反転攻勢に移る年にしたい」と抱負を語った。国内宿泊4泊に向けて展開中のキャンペーンについては、泊数が増えない現状を踏まえ、「さらにいろいろ工夫しながら取り組みを強化する」と意気込みを示した。
反転攻勢のための材料として金井会長は、バンクーバー五輪、上海万博、国内では平城遷都1300年祭、APEC横浜などを挙げ、「業界をあげてそれらを有効に生かすことが一番大切だ」と強調。さらに、観光に力を入れている政府の観光政策と共同歩調をとることもJATAの大きなテーマだと述べた。
国内旅行の環境については「今の状況は厳しい」との認識を示した。国内旅行需要を高める取り組みは、人口減少が進むなかでは、旅行者の泊数を増やす、インバウンド客を増やす、の2つの方策しかないと断言。具体的には、「宿泊施設と提携しながら新しい旅を作っていく」「インバウンドでも宿泊施設と連携する動きを探っている」などと述べ、旅館・ホテルの協調関係をカギと見る。
休日1千円の高速道路割引にも言及し、移動が増えるという利点を挙げながらも、私見として「旅行会社のビジネスとは対局にある旅の形に流れて行っている」「旅行会社も宿泊施設も求めている旅行の平準化につながっていない」と指摘した。
金井会長