過去最大の赤字から大幅改善 JAL ANA通期決算


23年3月期は黒字見込む

 JALグループ(JAL)とANAホールディングス(ANA)はこのほど、2022年3月期(2021年4月1日~22年3月31日)連結決算を発表した。最終損益はJALが1775億5100万円の赤字(前期は2866億円の赤字)、ANAが1436億円の赤字(同4046億円の赤字)。両社ともコロナ禍の影響が続き厳しい状況が続いたが、旅客需要が回復基調、国際貨物が好調だったことなどから、過去最大の赤字額だった前期から大幅に改善した。23年3月期は両社とも黒字を見込む。

JAL 徹底的にコスト減

 JALは、グループ連結売上高が前年同期比41.9%増の6827億1300万円、EBIT(利息および税金控除前利益)が2394億9800万円の赤字だった。感染拡大が長期化する中、清潔性、非接触性の強化による「安全・安心」の確保を最優先としながら、国内外を結ぶ航空輸送ネットワークを維持。旅客事業の回復に時間を要する中、徹底的なコスト削減の取り組みと好調な貨物事業における売り上げ最大化で収益の改善に努めるほか、航空業界を対象とした支援策や雇用調整助成金制度を使用するなど公的な支援を活用した。

 国際旅客の売上高は同153.4%増の708億円に。依然として需要が限られる中、東南アジア、北米間の通過需要、日本への帰国者や海外への赴任需要を取り込んだ。

 国内旅客の売上高は同35.5%減の2357億円に。国際線同様に混雑する時期でもマイルで予約できる新サービス「いつでも特典航空券」を導入するほか、国内線運賃を分かりやすくするため、23年4月12日搭乗分からリニューアルすることを発表した。

 貨物郵便の売上高は同138.2%増の2183億円に。国際旅客便の大幅減便に伴い供給が限られる中、自社旅客機や他社貨物機を利用した貨物便を運航し、旺盛な貨物需要に対応した。

 LCC領域では、世界初の太平洋横断LCCとしてZIPAIR Tokyoが21年11月にロサンゼルス線を就航。21年6月に子会社化したスプリングジャパンとジェットスター・ジャパンも含め、特徴が異なるLCC3社による成田空港をハブとしたネットワーク構築に努めた。

 非航空領域では、JALUXの株式公開買い付けを双日と共に行い、22年3月からJALグループへ連結子会社化した。大和グループホールディングスとは、24年4月から貨物専用機を運航し、地方発のDtoB/C市場の形成を行うことなどを発表した。

 自己資本比率はハイブリッド・ファイナンスの実施で、格付け評価上で41.1%に。ネットD/Eレシオも0.3倍と健全な水準を維持した。営業キャッシュフローは、昨季から1159億円と大幅改善し、マイナス1035億円となった。実質固定費は当初想定5千億円から343億円削減し、4657億円まで抑制した。需要減に対応した柔軟な供給調整で、変動費は収入増加分の約37%増に抑制した。

 23年3月期の連結業績予想は、売上高1兆3900億円、EBIT800億円、純利益450億円。

ANA 貨物収入過去最高

ペイウォール会員向け記事です。

 
新聞ご購読のお申し込み

注目のコンテンツ

第37回「にっぽんの温泉100選」発表!(2023年12月18日号発表)

  • 1位草津、2位下呂、3位道後

2023年度「5つ星の宿」発表!(2023年12月18日号発表)

  • 最新の「人気温泉旅館ホテル250選」「5つ星の宿」「5つ星の宿プラチナ」は?

第37回にっぽんの温泉100選「投票理由別ランキング ベスト100」(2024年1月1日号発表)

  • 「雰囲気」「見所・レジャー&体験」「泉質」「郷土料理・ご当地グルメ」の各カテゴリ別ランキング・ベスト100を発表!

2023 年度人気温泉旅館ホテル250選「投票理由別ランキング ベスト100」(2024年1月22日号発表)

  • 「料理」「接客」「温泉・浴場」「施設」「雰囲気」のベスト100軒