跡見学園女子大学(山田徹雄学長)は11日、文京キャンパスのある東京都文京区に所在する、文人・樋口一葉ゆかりの「旧伊勢屋質店」の土地、建物=写真=を取得した。文京区の支援を受けて保存し、建物公開などで地域に貢献するとともに、4月に設置する「観光コミュニティ学部」の学生の実践の場としても活用する。
旧伊勢屋質店は、一葉が生活に困窮した時に何度も通った質屋。明治時代に造られた伝統的な商家建築で国登録有形文化財。これまで個人が長く所有していたが、維持が難しくなった。このため、文京区から相談された跡見学園が旧伊勢屋質店の建物と土地44坪を取得し、区からの委託で建物公開・観光案内事業を行うことになった。
山田学長は「地域の文化財を本学が有することを学生に示したい。また、そこの場を使って実際に授業を進めたい」と話す。
文京区では、跡見学園に事業委託し、土・日曜日などに建物の内部を公開しながら、周辺の観光・まちあるき情報を提供していく。