和心亭豊月(神奈川県箱根町)が運営する旅館「和心亭豊月」(箱根芦ノ湖温泉)はこのほど、大規模施設改修を行い7月26日にリニューアルオープンした。同館の開業30周年を記念事業の一環として行った昨年2月の大規模リニューアルに続く第2弾として実施。「30年目の模様替え~総仕上げ~」と称した大規模改修により、持続可能な旅館を目指す。
和心亭豊月は、開業以来「顧客の創造」を第一に取り組み、昨年には宿泊客のリピーター利用率が約46%に達している。妊婦や赤ちゃんの温泉デビュー、長寿のお祝いなど、さまざまなライフステージに寄り添い、特に家族連れの顧客層から高い評価を得ている同館は、今後も時代に合った価値を提供するべく、2期にわたる約7カ月の改修休館「30年目の模様替え」を完了し、新たなスタートを切ることとなった。
昨年2月に実施した第1弾のリニューアルでは、主に館内全16室のうち6室を半露天風呂付き客室に改装。このほか数寄屋造りを生かした和室、ベッドにこだわった和モダン和洋室、子供心をくすぐるコンセプトルーム、障壁を減らしたアクセシブルルームなど、全客室をリニューアルした。
今回実施した第2弾のリニューアルでは、第1弾で改装した客室の一部にロイドルームチェアなどを追加したほか、「料亭向月」の全面改修や大浴場・露天風呂の模様替えを実施した。
「料亭向月」の個室「紫陽花」
「料亭向月」では、個室12室のうち8室をダイニングテーブル仕様に、4室を掘りこたつ仕様に変更。和の趣にこだわりつつ、大胆に居住性と快適性を向上させた。
大浴場・露天風呂の模様替えでは、男女月替わり大浴場の内湯をさまざまな種類の「モダンタイル」を用いたデザインに変更。箱根連山から差し込む光を生かし、明るく立体感のある空間を演出した。洗い場のシャワーには、「Refa」製品を採用している。露天風呂「風月の湯」には「モザイクタイル」を使いリニューアルし、大自然の中で長くリラックスできる空間を提供する。
改装した露天風呂「風月の湯」
「『お客さまの時間をお預かりして素敵に演出する』がモットーの当館。今回の工事ではその担い手であるスタッフの働きやすさにも特にこだわり、ハード、ソフトとものアップデートを目指していく」(同館)。
大浴場「月見の湯」