福島県郡山市は9日、2020年東京オリンピック・パラリンピックの参加国事前合宿を誘致するため、東京都スポーツ振興局に協力を求める依頼書を提出した。同局によると、都への正式な申し入れは全国の自治体で初めて。
市では、選手だけではなくスタッフやボランティア、ファンらが市内に宿泊することで観光分野に好影響が出ると期待している。
同局などによると、品川萬里市長が都庁を訪れ、猪瀬直樹知事あての依頼書を細井優局長に提出した。依頼書では「世界各国から御支援をいただいた東日本大震災の被災地である本市としましても、積極的に貢献・応援をさせていただきたい」とし、外国人観光客に対する宿泊を含めた環境整備や事前合宿の会場提供、スタッフやボランティアの募集などに取り組むとしている。
郡山市は品川市長を本部長とする「オリンピック対策本部(仮称)」を設置する予定で、東京から東北新幹線で1時間20分の利便性や磐梯熱海温泉など市内の観光地を各国にPRし、誘致に全力を挙げる方針。
都や震災の被災各県、スポーツ団体などで組織した「五輪招致に係る復興専門委員会」は昨年12月、被災各県に事前合宿を誘致するために、宿泊施設や練習会場をリスト化し、各国から照会や斡旋の依頼があれば優先的に紹介するなどの内容を盛り込んだ最終報告書をまとめ、公表している。