
有識者4人が登壇し、意見を発表した
横浜商科大学(小林雅人学長)は10月19日、公開シンポジウム「地域を世界に売る!インバウンド観光の価値創造と発信」を横浜市の横浜ロイヤルパークホテルで開いた。文部科学省委託事業である「地域インバウンド対応のための観光ビジネスフロンティア人材育成事業」の一環で実施。約150人が参加した。
文科省高等教育局専門教育課教育振興係長の三田洋介氏は、来賓あいさつの中で観光産業の人材育成について触れ、「一橋大学、京都大学における観光MBAコースを2018年4月の開学に向け準備中で、産業界のニーズを踏まえたカリキュラムの作成が進んでいる」と紹介した。
横浜商科大学商学部観光マネジメント学科の秋山友志講師は、同委託事業で開発した受講料無料のeラーニング講座「地域インバウンド対応のための観光ビジネス人材育成講座2017」について説明した。
横浜商科大学商学部観光マネジメント学科の宍戸学教授がコーディネーターを務めたパネルディスカッションには、函館商工会議所中小企業相談室長(元・北海道新幹線新函館開業対策推進機構事務局長)の永澤大樹氏、日本スポーツツーリズム推進機構事務局長の中山哲郎氏、日本コンベンションサービスMICE都市研究所主任研究員の西本恵子氏、NACニセコアドベンチャーセンター代表取締役のロス・フィンドレー氏の4人が登壇した。
登壇者の主な意見は次の通り。
「新幹線という安定的な大量輸送交通ができたおかげで函館の観光客数は国内からも海外からも増えた。誘客や受け入れは、一地域で抱え込まず、広域的に取り組むことが大事だ」(永澤氏)
「今、全国で地域スポーツコミッション推進組織が続々と誕生している。体験型商品の中にはスポーツを楽しむものも多く、スポーツツーリズムにはさまざまな可能性が広がっている」(中山氏)
「国際会議が開催されることにより、経済効果、政治的・外交的効果、社会文化的効果、ツーリズム効果の四つの効果が生まれる。国際会議の持つ大局的な意義は、地域における経済効果だけではない」(西本氏)
「ニセコのライバルは、いまやウィスラーなど国際的なスキーリゾートとなり、世界に情報発信するマーケティング人材・費用が必要となってきているが、日本の既存の枠組みの中では、そのような人材を確保するのは難しく、結局、投資も誘客も外国人が行っているのが現状」(フィンドレー氏)