世界中のリッツ・カールトンで働く従業員たちの話を元に、常に心のこもったサービスを提供するための方法や、人材育成法、顧客に長く愛されるサービスのヒントなどを紹介している。表題の「ゴールド・スタンダード」とは同ホテルサービスの基本のこと。
著者は、リッツ・カールトン・ディアボーン(ミシガン州)の総支配人・トニー・ミラ氏の「心からの気配りと最上級の快適さ。お客さまも従業員も一歩足を踏み入れれば他のどのホテルよりも大切にしてもらえることが分る」という言葉を引用。従業員達が優れたサービスを提供する仕事を誇りに思い、それを良いものにしようと努力する姿勢を示している。
人材を育てるためには人材育成に多くの時間を費やすという。人材採用の面接は14回も実施。妥協せずに選び、採用した従業員には1年で250時間以上の研修を受けさせる。「訓練をし、優れた成果を認められればより長く会社のために働いてくれる」との狙いからで、業界平均60%の離職率が同社では20%。
同ホテルが実践する顧客に長く愛される方法も紹介。フロリダ州にあるホテルの総支配人は「お客さまの子どもがどんなチョコレートが好きか観察したり、ジョギングから戻ったお客さまに冷たいミネラルウォーターのボトルを差し出せるようにしたり、いつもと違う時間にモーニングコールを頼まれたら朝食を持っていくべきではないかと考えたり、常にお客さまを観察している」。こうしたお客さまニーズの先読みでリピート率を高められると指摘している。
価格は1890円。問い合わせはブックマン社(TEL03・3237・7784)まで。