日本人国内旅行消費額、21.9兆円 10年以降最高額も延べ人数は振るわず


 2019年の日本人の国内旅行消費額は、18年比7.0%増の21兆9114億円となった。観光庁が発表した旅行・観光消費動向調査の速報値。10連休のゴールデンウイーク(GW)や旅行者1人1回当たりの旅行単価の上昇などで、現行の調査手法になった10年以降で最高額だった。宿泊、日帰りを合わせた延べ旅行者数は5億8666万人で、自然災害が相次いだ18年比では4.4%増だったが、10年以降では低い方から2番目の水準で、最高値を記録した17年と比較すると9.4%減だった。

 消費額、延べ旅行者数、旅行単価は、観光、業務、帰省などを含めた国内旅行の統計。日本国内の居住者から無作為に抽出した約2万6千人に調査票を送付。同一対象者から得た四半期ごとの回答を基に数値を算出している。

 旅行消費額のうち、宿泊旅行は17兆1493億円で18年比が8.5%増、17年比が6.7%増。日帰り旅行は4兆7620億円で18年比が1.8%増、17年比が5.4%減だった。19年の宿泊旅行の消費額は10年以降で最高額となった。

 延べ旅行者数のうち宿泊旅行は3億1142万人で、18年比が7.0%増、17年比が3.7%減。日帰り旅行は2億7524万人で、18年比が1.7%増、17年比が15.1%減となった。宿泊旅行の延べ旅行者数は、10連休のGWがあった4~6月期が8365万人で18年比19.5%増、17年比4.9%増と好調だったが、他の四半期は17年の実績を下回った。

 1人1回当たりの旅行単価は、宿泊旅行が5万5069円で18年比1.4%増、17年比10.7%増。日帰り旅行が1万7301円で18年比0.1%増、17年比11.4%増となった。宿泊旅行と日帰り旅行の旅行単価は、18年、19年と2年連続で10年以降の最高値を更新した。宿泊料や各種物価の一定の上昇、10月の消費税率の引き上げなどが影響したとみられる。

 
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