日本旅行北海道はこのほど、北海道の農業生産法人と共同で農業事業会社を設立した。法人が所有する農地でコメと野菜を生産。収穫物を旅行会社の販路を生かして販売するほか、収穫時には収穫体験のツアーや即売会を行う。同社では第1次産業と観光の連携による新たなビジネスモデルを構築したいとしている。
新会社「あぐりツーリズムネット」を、日本旅行北海道(落合周次社長)と農業生産法人「あきよしファーム」(本社=北海道空知郡奈井江町、吉井弘三社長)が共同出資し、4月2日に設立した。資本金1千万円で、日本旅行北海道が800万円、あきよしファームが200万円出資。社長は日本旅行北海道の永山茂・新規事業室長が務める。
あきよしファームが奈井江町に持つ3ヘクタールの農地を使い、営農する。3ヘクタールのうち、米作で2ヘクタール、野菜などで1ヘクタールを利用。初年度に1千万円の販売を見込み、3年計画で耕作面積を10ヘクタールまで拡大。販売高3千万円を目指す。
収穫物は旅行会社の各種販路で販売。全国の旅館・ホテルには収穫物を活用した販売フェアの開催を呼びかける。ウェブでの販売や、年間契約によるホテルや社員食堂、病院、大学の学食への販売も行う。余剰生産物を利用した漬物など加工食品の生産も行う予定だ。
収穫期には教育旅行をはじめ、各種の体験型ツアーを行い、同地に誘客する。
会員組織「あぐりファームメンバー」を限定400人で募集する。会員向けのツアーの催行やイベントの開催、収穫物の即売会を行う。宅配による収穫物の市場価格での販売も行う。