全閣僚で構成する観光戦略実行推進会議が8月31日、首相官邸で開かれた。7月の西日本豪雨の観光への影響、風評被害の対策などについて、観光団体の代表らを招いてヒアリングを実施した。せとうち観光推進機構は、災害発生後の7、8月のキャンセルや予約手控えによる宿泊施設の損失(推計)を瀬戸内海沿岸7県で約191.3万人泊、約155.9億円と説明し、政府のさらなる支援策を要望した。
西日本豪雨に伴う被害、対策は、せとうち観光推進機構の村橋克則事業本部長が説明。県別の宿泊施設の推計損失額は、岡山県が19.4億円、広島県が35.3億円、愛媛県が14.9億円、兵庫県が53.2億円、山口県が15.5億円、徳島県が6.4億円、香川県が11.2億円と報告した。
せとうち観光推進機構では、国内旅行対策として復興への機運醸成に向けたイベントなどを開催。訪日旅行対策としては、欧米などの旅行会社やメディアに正確な情報発信に努めた。
国からは7月豪雨観光支援事業費補助金を活用した「ふっこう周遊割」などの施策が講じられているが、せとうち観光推進機構では、支援額の増額、ふっこう割の利用条件の緩和などを政府に要望した。
愛媛県松山市の道後温泉旅館協同組合の新山富左衛門理事長も説明に立ち、風評被害は被災地域だけでなく、四国全体に波及していると指摘。本州四国連絡橋、四国内の高速道路の通行料金の割引への支援を要望した。
この他、2016年4月に発生した熊本地震からの観光復興の取り組みなどについて、九州観光推進機構の石原進会長、阿蘇広域観光連盟の稲吉淳一会長が報告した。