JTBは2日、年末年始(12月23日〜来年1月3日の12日間、出発日基準)の宿泊旅行動向の見通しを発表した。国内旅行者数は前年比0.3%増の2996万人と過去最高を予測。海外旅行者数は62万8千人と4.3%減だが、国内旅行が牽引し、総旅行人数も過去最高となる見込みだ。
消費者アンケートで、今年の年末年始の旅行が昨年と比べてどのような変化や影響があるかを聞いたところ、「休みが取れそうなので昨年より遠距離に行く」「円安になったので今年は国内旅行に行く」「来年旅行できそうにないので今年は行く」「今年は列車や飛行機を使う」などが増加した。旅行の支出については「増やしたい」が0.8ポイント増の11.8%。日常生活の節約は意識しつつも旅行への消費意欲は堅調だという。
国内旅行は、円安や国際情勢の懸念により海外旅行からシフトしているだけではなく、「国内の地域、宿泊、交通手段の魅力が増したことが後押ししているようだ」とJTB。
国内旅行平均費用は7.0%増の3万4200円と予測。泊数を伸ばして少し長めの旅行をする、実家への帰省だけでなく、お金をかけてホテルや旅館での宿泊を楽しむ、ふるさと旅行券を有効に使うなど、ちょっと贅沢な旅行を予定している人も多いという。
方面別の状況を見ると、今年、新幹線が開業した北陸方面が人気。温泉の多い信越方面も北陸新幹線の開業により、沿線地域として注目度が上がっている。京都を含む近畿方面も人気を集めている。パウダースノーや自然の豊かさで訪日旅行先として注目される北海道は、国内の旅行者も魅力を再認識しているようだ。
出発日のピークは12月31日の見込み。
海外旅行は、台湾やハワイが引き続き底堅い人気。昨年はデモがあって落ち込んだ香港が増加に転じた。平均費用は2.3%減の21万7千円と予測している。出発日のピークは、ヨーロッパなどの長距離方面が12月23日、アジアなどの近距離方面が12月29、30日。帰国日のピークは1月2〜3日となりそうだ。