奈良県は5月15日、観光戦略本部の第1回会合を開いた。本部長には初代観光庁長官で、現国連世界観光機関(UNWTO)駐日事務所代表の本保芳明氏が就いた。観光関連データなどをベースに、有識者や民間事業者のアイデアを生かし、同県の観光が抱える問題の解決や観光GDPの飛躍的かつ持続的拡大につながる、実効性ある取り組みの立案を図る。
同本部の設置は、昨年4月に就任した山下真知事が選挙公約としていた。本保本部長ら7人からなる本部会議と、(1)近鉄奈良駅・新大宮駅・JR奈良駅周辺エリア(2)平城宮跡周辺エリア(3)中部エリア(斑鳩、山の辺の道、飛鳥・藤原)(4)南部・東部エリア(吉野・天川、金剛・葛城、十津川村、宇陀)の4重点エリア部会を設置。
各部会には民間の事業者などをメンバーとして、統計データなどを基に課題や将来像、取り組みの方向性などを議論。本部会議では各部会の検討結果に基づき、県全体を俯瞰(ふかん)しての政策の方向性や重点施策などをまとめる。
第1回会議では事務局である県観光戦略課から、県の観光課題として観光消費額が少ないことや宿泊客数が全国44位と非常に少ないこと、また観光客が奈良公園周辺に集中していることが示されたほか、観光GDPの飛躍的かつ持続的拡大を目指すとして、2030年度に観光消費額4200億円、1人当たりの観光消費額で宿泊客は3万1千円、日帰り客は6千円、延べ宿泊客数は500万人との具体的な数値目標を掲げた。
本保氏以外の委員は以下の通り(敬称略)。
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