国土交通省は19日、今年8月に施行した広域的地域活性化基盤整備法に基づく、地域自立・活性化交付金を20府県の34地域に交付することを決めた。34地域に対する今年度の交付額合計は約50億円。このうち14地域は、広域観光の活性化を目的にした事業で、アクセス道路の整備や景観整備などを支援する。
交付対象のうち観光関係は、「世界遺産などの国際的な観光資源を生かした広域観光の活性化」に向けた事業が6地域。「半島地域・過疎地域などの条件不利地域と高速交通網などのアクセス強化による広域観光の活性化」のための事業が8地域。
世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」がまたがる和歌山、三重、奈良の3地域はいずれも採択。広域観光の振興に向けて、景観や周遊性に配慮したアクセス道路の整備、観光情報提供の充実などを支援する。各県ごとに策定した事業計画だが、広域的な連携による観光のネットワーク化が期待されている。
鹿児島県は、11年の九州新幹線全線開業の効果を県内全域に波及させるため、観光地へのアクセス道路や案内標識の整備、観光地づくりにつながる河川整備などを盛り込んだ事業計画が交付対象になった。
静岡県では、慢性的な交通渋滞によるイメージ低下の解消に向けた観光地への交通網整備、外国人旅行者に対する観光案内や標識の多言語化などの事業を支援する。