
あいさつする渡邉会長
渡邉会長は再任
JRグループ協定旅館ホテル連盟(JR旅ホ連、渡邉宗男会長、2133会員)は6月14日、ホテルメトロポリタン(東京・池袋)で通常総会を開いた。役員改選を行い、渡邉会長(川堰苑いすゞホテル)を再任した。2018年度の事業や収支決算報告のほか、19年度の事業計画、収支予算の承認などを行った。
冒頭、渡邉会長は「協定している意味を問われることがある。基本は、お客さまがほしい、地域を活性化させたいという思いは一緒。会社も6社でそれぞれやり方は違うが思いは一緒だ。会員、会社が目指しているものに近付けていく」とあいさつした。
18年度の事業報告では、昨年に相次いで発生した豪雨や地震など災害への支援や、「JR旅ホ連宿泊施設一覧」を情報サイト「トレたび」に継続掲載し、トレたびの公式SNSを活用した認知度アップ、利用促進に向けた取り組みを行ったことなどを報告した。
19年度の事業では、宿泊客に対するアンケート調査を継続実施するほか、各地域本部の研修や宣伝活動などを通じて、JR各社が取り組む地方創生、地域活性化策との連携を図り、国内旅行の需要拡大を行う。
また、役員の改選では、九州地域会員側の副会長に、5月28日に死去した小林喜平太氏(稲佐山観光ホテル取締役会長)に代わり、湯通堂温氏(いぶすき秀水園社長)を新たに選んだ。
JR6社の部長ら近況や今後を説明
JR側からは6社の副会長(営業部長または代理)があいさつ。JR北海道の林雅子副会長(鉄道事業本部営業部長)は「昨年北海道では震災があったが、ふっこう割などが功奏し、宿泊者数が178万人となるなど復興での成果を残した」と謝意を示した。今後については「今年は『くしろ湿原ノロッコ』号が30周年、釧路湿原のSLが20周年を迎えるなど観光列車の記念年だ。また、夏には宗谷線に6年ぶりの観光列車としてJR東日本の車両を使った『風っこ そうや』号を運行する。豊かな北海道をPRしていく」と述べた。
JR東日本の阪本未来子副会長(執行役員鉄道事業本部営業部長)は「昨年は多くの災害に日本が見舞われたが、観光で盛り上げようという意識が国全体に広がった」と振り返った。今後については「昨年7月に中期経営計画『変革2027』を発表した。経営環境の変化のほか、後期高齢化や人口減少、働き方改革など課題が多くある。ITやAIなどを取り入れながら、『駅』『移動』を楽しくし、移動のモチベーションとなる『目的地』作りも行っていきたい」とビジョンを示した。
JR東海の臼井謙司副会長代理(営業本部副本部長)は「GWの10連休では東海道新幹線が前年同期比118%、6月11日までだと同103%と堅調だ」と近況を報告。今後については「来春にはダイヤ改正で、東海道新幹線『のぞみ』を1時間当たり10本から最大12本へと増やす。チケットレスの比率も4割まで上がり、今後も増やしていきたい」と語った。
JR西日本の水田雅博副会長代理(営業本部副本部長)は「旅行や技術の変化に合わせ、旅ホ連も変わっていかなければならない」と提言。今後については「尾道駅前―瀬戸田間で、しまなみ海道の島々に自転車を運ぶ船『サイクルシップ・ラズリ』を購入し運航を開始した。今後は広島エリアでも購入する予定だ。新幹線プラス船という新しい観光周遊づくりにチャレンジする」と意気込んだ。
JR四国の藤本聡副会長(取締役鉄道事業本部営業部長)は「昨年は災害復興に当たり、皆さまと日帰り企画やふっこう割などを通じて四国は元気だと共にPRできた」と感謝を述べた。今後については「GWは前年同期比118%とプラスとなり、4、5月は堅調だ。5年前から観光列車が好調で、来春からは高知から窪川まで走る『志国土佐 時代の夜明けのものがたり』が新たに走る。列車にWi―Fiや洋式トイレを整備するなど外国の人にも使いやすい鉄道を目指す」と述べた。
JR九州の赤木由美副会長(執行役員鉄道事業本部営業部長)は「昨年上期に自社での旅行商品の造成を辞め、下期からはJTBと連携し、駅で鉄道の旅行商品を売ることに特化した新しい体制を作った」と報告。今後については「九州管内を走る11本の観光列車『D&S列車』を生かしながら、鉄道と一緒になった宿の販売を進めていきたい」と方針を示した。
あいさつする渡邉会長