帝国データバンクが今年8月、全国の企業に行った景気動向調査によると、同月の景気動向指数(景気DIポイント0〜100、50が判断の分かれ目)は24.5で、前月比1.4ポイント増加。これで、6カ月連続の改善となった。企業の生産活動が復調し、製造業など8業界でDI値が改善。高速道路料金の割引などで需要が喚起されたとする旅館.ホテルも改善した。先行き見通しDIも3カ月後、6カ月後、1年後の3指標すべてが改善。ただ、新型インフルエンザなどが景気の本格回復の重しになっていると同社では指摘、予断を許さない状況となっている。
景気DIの改善幅は、今年3月から続いている半年間の改善基調の中で、6月の1.6ポイント増に次ぐ大きさとなった。
業界別では、製造が24.0で、前月比1.8ポイント増加。6カ月連続で改善した。国内のエコカー減税やエコポイント制度が個人消費を喚起したほか、アジアなど新興国の需要増が加わり、自動車や電機関連の在庫圧縮が進展、生産活動の復調につながったとみられる。
サービスは27.5で、同1.5ポイント増。3カ月連続で改善した。このうち旅館.ホテルは26.3で、同3.9ポイント増。高速道路料金の割引などで需要が喚起されたとみられている。
このほか小売は26.4で、同0.7ポイント増。
企業の規模別では、大企業が25.7で、同0.9ポイント増。中小企業が24.1で、同1.5ポイント増。小規模企業が23.1で、同1.5ポイント増。大企業と中小企業の規模間格差は1.6ポイントで、前月から0.6ポイント減少。これで3カ月連続の縮小となった。
地域別では、四国が28.2で、同2.4ポイント増。4カ月連続で10地域中の最高となった。南関東は25.4で、同0.9ポイント増。6カ月連続で改善した。東海(同1.6ポイント増の22.6)も6カ月連続で改善したが、10地域中、北陸と北関東に次ぐ低水準となっている。
先行き見通しDIは、3カ月後が30.2で、同1.8ポイント増。6カ月後が33.4で、同1.0ポイント増。1年後が39.3で、同1.0ポイント増。2カ月ぶりに3指標すべてが改善した。
帝国データバンクは「低水準ながらも国内景気は緩やかな回復が続く」としながらも、「雇用悪化や天候不順、新型インフルエンザなどが本格回復の重しになっている」と指摘。さらに「欧米をはじめ中国などでも雇用情勢は好転しておらず、消費動向には先行き不透明感が漂っている」と分析している。
調査は全国企業2万1593社に行った。有効回答企業は1万963社で、回答率50.8%。