帝国データバンクはこのほど、人手不足に対する企業の動向調査を行った。正社員が不足とする企業割合は49.2%で、1年前の調査から5.5ポイント増加。4月として過去最高の水準となった。また非正社員の人手不足割合は32.1%で、同2.5ポイント増加した。業種別では、飲食店が正社員、非正社員とも高水準にある。
正社員について、不足が49.2%、適正が42.5%、過剰が8.2%だった。また非正社員は、不足が32.1%、適正が61.9%、過剰が6.1%。
9年前の2009年4月、正社員不足割合は12.9%、非正社員不足割合は8.7%だった。以来、4月調査における不足割合が年々上昇している。
正社員が不足している割合が高い業種は、1位情報サービス(69.2%)、2位運輸・倉庫(64.1%)、3位建設(64.0%)、4位飲食店(63.6%)、5位放送(61.5%)。
非正社員が不足している割合が高い業種は、1位飲食店(77.3%)、2位飲食料品小売(73.1%)、3位電気通信(58.3%)、4位メンテナンス・警備・検査(56.7%)、5位家具類小売(55.6%)。
飲食店が正社員で4位、非正社員で1位と、ともに上位となっているのが目立つ。
企業の規模別では、正社員は大企業で57.2%、中小企業で47.2%、小規模企業で43.8%が不足と回答。規模が大きいほど不足感が強いが、小規模企業の不足感も広がっている。
一方、非正社員では、大企業で36.2%、中小企業で30.9%、小規模企業で30.5%が不足と回答。全ての規模で3割以上が不足としている。
企業からは「人材確保のため、人件費を上げざるを得ない」「需要はあるが人手不足から、供給が追い付いていないのが現状」「同業者間での価格競争や、人材不足などにより経営が不安定となっている」などの声が挙がっている。