日本政策金融公庫はこのほど、中小企業景況調査の今年8月分を公表した。同月の中小企業の売上DI(季節調整値)はマイナス11.4で、前月のマイナス9.9から1.5ポイント、マイナス幅が拡大した。ただ、売上見通しDI(同)は0.9で、前月の4.7から低下したものの、2カ月連続でプラスの水準となっている。
調査は8月中旬、3大都市圏の同公庫取引先900社に行い、566社から回答を得た。
8月の売上DI(増加とする企業割合から減少とする企業割合を引いた値)は前月のマイナス9.9から1.5ポイント、マイナス幅が拡大。
売上DIは震災があった今年3月から6カ月連続のマイナス値。5月に09年以来の低水準となるマイナス17.9を記録し、以降は2カ月連続でマイナス幅が縮小したが、8月は再び拡大した。
6つの需要分野別では、乗用車関連が6.9と、唯一のプラス値を記録。衣生活がマイナス19.3と、最も低い数値となった。
今後3カ月の売上見通しDIは、前月の4.7から3.8ポイント、プラス幅が縮小。ただ、2カ月連続でプラスの水準を維持している。需要分野別では、乗用車関連が19.5、衣生活が13.5、設備投資関連が10.8と、ともに前月に続いてプラス値を維持。食生活はマイナス7.1、家電関連はマイナス2.3、建設はマイナス1.6と、ともに前月に続いてマイナス値を記録した。