レンタカー各社の収益環境は厳しい状況にあることが、帝国データバンクの調べで分かった。同社の調査によると、08年度のレンタカー会社63社の08年度の収入高の合計は6104億5900万円、前年度比2.4%減となり、最終損益では4社に1社が赤字という結果になった。
調査は、レンタカー会社のうち06〜08年度の3期連続で業績が分かっている収入高5億円以上の企業63社を分析した。63社のうち収入高が減収となったのは29社。07年度の11社から約3倍増加した。また、損益が判明した47社の損益(当期純利益)合計をみると、減益となった社数は07年度の23社から35社に増加し、4社に3社が減益という厳しい結果だった。赤字の企業は11社で4社に1社。
帝国データバンクでは「『物を借りて節約する』ニーズの増加というレンタカー業界にとっての追い風がある」ことを示したうえで、「新規参入による過当競争で各社は単価抑制を強いられている。追い風が業績につながっていない」と指摘する。
業績回復には、「価格だけにとらわれないサービス面での差別化や付加価値の向上が求められる」と強調する。
一方、矢野経済研究所では、「長期的には拡大が期待される市場」と見る。09年のレンタカー市場規模は前年比1.1%増の4650億円。2012年度の市場規模を5千億円に上ると予測。シニア層の利用増加や自由なルートを嗜好する観光需要の高まりなど、「潜在需要を開拓する余地は十分ある」と分析している。
レンタカー各社の巻き返しが注目されそうだ。