アソビューは6月17日、コロナ禍での観光地、体験、レジャー施設のあり方を伝えるオンラインセミナー「ハワイ現地から最新リポート コロナ時代の観光地と体験・レジャー施設のサバイブ術」を開催した。国内、海外での3密、感染症対策や、新たなコンテンツなどを紹介し、感染リスクを減らしながら生き残るすべを体験事業者に伝えた。
冒頭、アソビューの山野智久社長が「感染防止対策をした経営が求められている。対策をした上での地域観光資源の活用と商品造成が鍵をにぎる」と防疫、商品開発の同時対応を訴えた。
セミナーは2部構成で実施。1部ではアソビュー総研の内田有映所長が「コロナ時代における国内観光の潮流と取り組み事例」を講演。アソビューは、3月中旬から新型コロナの影響を受け始め、一時は売り上げが昨年同期比95%減に。以後、コスト削減のほか、(1)レジャー施設応援早割チケット(2)日時指定電子チケットサービス(3)新型コロナウイルス感染対策ラベルの設置(4)オンライン体験(5)おうち体験キット(6)災害時雇用維持シェアリングネットワーク((1)~(3)は既存支援、(4)~(6)は新事業)―の六つに取り組み、6月1週目には前年比50%まで回復した。内田所長は「コロナ禍の中、国内観光地を海外渡航先の代替地としてのプロモーション、感染症対策、整備が必要だ。来場客数より顧客単価を重要視し、売り上げのポートフォリオも多角化するべきだ」と説いた。また、体験事業者が生き残るために打つべき対策のキーワードとして(1)3密対応(2)「3密対策」に楽しさを(3)貸切プランで人数制限(4)ドライブコンテンツ化(5)アウトドア化(6)移動化(7)オンライン化(8)家での体験キット(9)複合型―の九つを挙げた。
2部ではハワイ大学疫学専門家の岡田悠偉人氏が「ハワイの実情から学ぶコロナの理解とリスクへの対応」をテーマに講演。ハワイ州の感染対策として、防疫の発信ツールでのロゴの統一化などブランディング、防疫対策グッズの「アトラクション化」などを紹介した。「ウイルス対策は、世論との闘い。感染と世論をうまくマネジメントしていく必要がある」と岡田氏。また、官民連携の成功事例として(1)観光と保険の特別チーム(2)行政の民間提案の活用(3)感染対策をポジティブに捉える―の三つを話した。ハワイ州ではコロナの収束を来年6月ごろと見定め、個人より先に管理、案内しやすい団体から受け入れを進める予定だ。
アソビューとハワイ州は協働で(1)感染管理チェックリスト(2)健康管理シート(3)感染管理の説明書(4)教育ビデオ―など感染管理パッケージの普及を進める。