
今号では、2017年の振り返りを行いたいと思う。
宿泊施設不足と言われていた時代は懐かしく、今は都市部を中心に、どちらかというと供給過多に陥っている。さらなる開業ラッシュを迎える最中にあって、都市部では生存競争が激しくなると予想される。
一方、地方においては、16年の振り返りにおいて、インバウンドが減少に転じた地域もあると述べたが、17年はさらにそれが加速し、海外ゲストに選ばれる地域と、そうでない地域で明暗がくっきりと分かれた印象である。
また、WEBの世界は劇的な変化は少なく、モバイルファースト、動画の活用、SNS検索などが引き続き重要なキーワードになっている。
特にモバイルファーストの考え方は依然として重要であり、自施設のWEB戦略はスマホシフトしていかねばならない。
SNSに関しては、今年の流行語大賞が「インスタ映え」であったように、本コラムでも述べたフォトジェニック要素を意識したコンテンツ作りが今後、求められるであろう。何はともあれ、まずはInstagram(インスタグラム)で屋号検索をすることからお客さま目線の第一歩が始まるので、実施してみてほしい。
もう一つ、17年の大きな動きとして挙げるのであれば、テクノロジーの活用が宿泊業界にも及んできたことであろう。AIを活用したお問い合わせコンテンツや料金提案機能などは既に実現しており、VRを用いた宴会場の閲覧なども既に実装化されている。テクノロジーの進化は止まらないので、最新の情報をキャッチして、自施設に生かせるものは活用していくほかない。
「メタサーチの台頭」「新興OTAの伸長」「民泊と宿泊施設の融合化」など見逃せないキーワードもあるが、今回では代表的な事象について振り返りを行ってみた。
くどいようであるが、時代が移り変わり、テクノロジーが発達しても、旅をするという行為そのものは変わらず、結局はその施設に満足したか否かが、一番大事であるので、お客さまを喜ばす努力だけは常に忘れずに実行していただきたい。
(アビリティコンサルタント・プライムコンセプト取締役 内藤英賢)