
バレンタインデーの歴史は古代ローマ時代までさかのぼる。
当時、兵士が結婚すると士気が落ちると、結婚を禁じたローマ皇帝に逆らい、キリスト教徒のバレンタインは若者らを哀れに思いひそかに結婚を勧めた。
その罪で彼は、269年に処刑され、2月14日は聖バレンタインの殉教の日。また、イギリスの民間伝承に「2月14日に鳥が交尾をはじめる」といわれ、男女が集まって恋人を選ぶという風習があった。双方が重なり、バレンタインデーは恋人らが愛を育む日となった(諸説あり)。
1958年、日本の洋菓子メーカーは、売り上げが減る2月ゆえ、2月14日のバレンタインデーにチョコを贈るセールを企画した。70年代中頃から女性から男性へチョコを贈るという日本型バレンタインデーが定着した。
しかし、当初、女性を標的に本命チョコ(1対1)を買わせる魂胆だった。その後、チョコ商戦が激化し、複数の上司らへ贈る義理チョコや友チョコなど、さらに、3月14日のホワイトデーでは男性から倍返し、3倍返しの市場拡大をもはやらせた。
政府のインバウンドの数値目標は2020年に4千万人、30年に6千万人という右肩上がりの倍々を想定する。16年のインバウンドの実績は2403万人。今後の主たる標的市場は、絶対、女性だ。洋の東西を問わず、女性に誘われ、男性や子どもらも同伴するので、右肩上がりの数値目標は女性客を増やせれば、自ずと達成するかも。
(梅花女子大学教授)