【震災10年に向けて】観光庁長官 蒲生篤実


蒲生長官

GoToで新しい旅を

 本年3月、東日本大震災から10年の節目を迎えます。

 東北の観光の歩みを振り返りますと、2007年に東北観光推進機構が設立され、インバウンドの受け入れを積極的に行い着実にその数を積み上げ、2010年に50万人泊にまで達していましたが、震災のあった2011年に外国人延べ宿泊者数は18万人泊にまで落ち込みました。

 このため、政府として、東北6県の外国人延べ宿泊者数を2020年までに震災前の3倍となる150万人泊とする目標を掲げ、インバウンドを東北に呼び込むための取り組みを支援してまいりました。

 東北の皆さまのご尽力のおかげで、外国人延べ宿泊者数は、2019年に168万人泊となり、目標を1年前倒しで達成することができました。また、ロンリープラネットやナショナルジオグラフィックといった海外の有力メディアにも東北が大きく取り上げられ、東北の魅力が世界に広まってきております。

 一方で現在、新型コロナウイルスにより、東北地方も含め、観光業界は多大なる影響を受けています。また、福島県については、いまだに原発事故による風評の影響が残っていると考えられます。

 このため、Go Toトラベル事業で新しい旅のスタイルを普及、定着させ、さらに、観光産業における感染拡大防止対策の徹底、長期滞在に資するコンテンツや宿泊施設の創出に向けた取り組みなど、東北の観光振興、観光立国に向けた取り組みを令和2年度第3次補正予算も活用して強力に推進してまいります。

 また、福島県については、震災・原発事故の教訓を伝えるホープツーリズムの核となるコンテンツの開発など、風評被害の払拭(ふっしょく)に向けた取り組みを引き続き支援してまいります。

 また、本年は、4月から9月まで、東北6県の自治体や観光関係者、JRなどが一体となって東北デスティネーションキャンペーンが開催されます。ぜひ多くの方々に東北の元気な姿を見ていただきたいと考えています。

 今後も東北の皆さまと一緒に東北の観光振興に全力で取り組んでまいります。

 
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