【道標 経営のヒント 155】AI(人工知能)を宿に タグ広告プランナー 宮坂登

  • 2018年9月5日

 この夏は今話題の「AI=人工知能」についての勉強会や講座に参加している。セミナーなどもシステムエンジニアやマーケッターに交じって聴講している。広告を生業としているわが身にとって、AIが広告にどのように結び付くのかに大きな興味があることがその理由だ。

 AIとは「予測」と「識別」が主だった役割とされていて、それらは機械学習がベースになっている。「予測」とは膨大な収集データを元にした「傾向」の割り出しのことで、特にマーケティング分野にAIを取り入れることで緻密な分析が可能となり、煩雑なルーティーン業務にかかる手間と時間を大幅に軽減できる。その分、広告の本質であるクリエイティブ=人でしかできない分野に長時間を確保できることがメリットだ。作業的な部分はAIに任せる一方で、クリエイターはAIが割り出したデータを駆使し、ユーザーの視点に立った顧客体験をどのようにデザインするか考えることが主業務となる。

 また、「識別」とは音声認識や自然言語処理、画像認識などの情報の仕分けを示す。手許にあるiMacプロには「Siri」というデジタルアシスタント機能が搭載されており、音声で呼び掛けることによって立ち上がる。人工知能が、意外と近くにあることに驚く。この数年のうちには暮らしの中にさらにAIが普及していくことが予測されている。

 筆者と同業となるが、AIコピーライターなるものが登場していて、大手広告会社では発想支援ツールとして活用しているという。AIコピーライターに作らせた膨大な数のコピーを元に、そのコピーの中に顧客側の課題を解決できるものがあるかどうかを、多くのクリエイターたちが検討し「選ぶ」仕掛けになっているらしい。一晩に数百本のキャッチフレーズを考え出していた若い時分と隔世の感がある。自信作と思っていたコピーが没になり、悔しい思いをすることなど日常茶飯事だったが、AI側はそのような感情は持つまい。

 旅行業界に当てはめてみたい。例えばAIの行動予測によって「この人は夜に旅行情報を閲覧していることが多い」と判別されれば、ユーザー側のデバイスに夜だけ旅行関連サイトの広告を配信することで、ユーザーの旅行への欲求をインセンティブすることができる。さらにその翌朝に格安の交通チケットなど、一歩先の関連広告を配信することで、予約へと誘導する仕掛けが考えられているという。やる気になれば個別の宿でも取り組める仕掛けでもある。興味を持つご担当者も多いことだろう。

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