【逆境をチャンスにー旅館の再生プラン 580】事業再構築補助金の計画書8 青木康弘


青木氏

 前回に引き続き、第1回通常枠の採択率100%だった弊社の事業計画作成ノウハウを生かして、採択率の高い計画書を作るコツを紹介しよう。紹介する項目の順番に沿って作成すれば完成するのでぜひチャレンジしてほしい。

 15、量産化時の製品などの価格

 補助金の募集要項には、量産化時の製品などの価格を明示するよう記載されている。メーカーを想定したもので表現が少々分かりにくいが、要は商品サービスの料金表をまとめれば良い。

 例えば、宿泊料金表(タリフレート)、レストランのメニューブックの抜粋と価格、売店の代表的な商品名と価格、利用料金(キャンプやワーケーション事業の場合)である。前項の「目標となる時期・売上規模」で記載した客単価と整合するように料金設定しよう。

 メニューの名称は、実際に開業した時のメニューブックをイメージして、魅力的なものにすることをお勧めする。審査委員がぜひ行ってみたい、食べてみたい、はやるだろうと思えるものを提示することが望ましい。

 16、地域経済への貢献

 現在の従業員数および補助事業で採用を計画している従業員数、地元での仕入れ実績および補助事業における仕入れ予定額、交流人口の増加目標などを具体的な数値でまとめよう。地域経済への貢献と聞くと、理念的なものをイメージする方が多いが、事業再構築補助金のような行政が主導する審査で評価されやすいのは、具体的な数値が示された計画である。

 例えば、従業員数は、期中平均で構わないので具体的な人数を明示し、地元市民の比率をパーセンテージで示すと評価されやすい。地元仕入れ額は概算でも良いので具体的な金額で示したい。売上原価、販売および一般管理費の中から地元仕入れと思われる項目をピックアップして合計すれば良い。

 補助事業で仕入れ額が増える見込みであれば、今後5年間の合計額を示すとインパクトがあり評価されやすい。交流人口は、地元客以外の利用者数を5年間合計したものを示すと良い。

 (アルファコンサルティング代表取締役)

 
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