【観国之光 325】地域版GoTo 域内観光需要増に期待 本社論説委員 内井高弘


Go Toトラベル再開までのつなぎとなる「地域版Go To」。観光事業者からは期待の声も(写真と本文は関係ありません)

 国の観光支援策「Go Toトラベル」が昨年12月28日に全国停止されてから3カ月がすぎた。新型コロナウイルスの感染収束がみえない中、事業再開は6月以降となりそうで、観光関係者からは「このままではもたない」と悲鳴にも似た声が上がる。

 緊急事態宣言に準じた措置をとれる「まん延防止等重点措置」が5日、大阪、兵庫、宮城の3府県に適用されるなど、重苦しいムードが漂う中、その払しょくにつながるのではと期待されるのが「地域版Go To」ともいえる新たな観光支援策だ。

 観光庁は3月26日、Go Toトラベル再開までの間、都道府県が独自に行う観光需要喚起策を支援すると発表した。予算規模は3千億円で、国が都道府県に補助金を交付する。

 「広域からの集客はできず、効果には限界も」という指摘もあるが、感染が抑制できている地域内で旅行需要を喚起することは選択肢としてあり得るのではないか。

 Go Toトラベルに対して国民が厳しい見方をしているのは承知しているが、観光業界も飲食店などと同様に苦境に立たされており、関連するさまざまな事業に影響を及ぼしていることをぜひ理解してほしい。業界エゴでは決してない。

 感染状況が4段階のうち下から2番目の「ステージⅡ」(感染漸増)以下であることが条件で、居住地と同一都道府県内での旅行が対象となる。支援策を活用して事業を実施するかどうかの判断は知事に委ねられるが、感染状況を慎重に見極めた上での対応が求められる。「国が出すのだから使わねば損」という考えはこの際、捨てるべきだろう。

 都道府県が宿泊や日帰り旅行に補助する場合、国は1人1日5千円を上限に費用の半額を補てんする。また、都道府県の判断で、土産店や飲食店、交通機関などで使えるクーポン券を発行する場合には1人当たり最大2千円を上乗せする。
 国による支援の対象は4月1日から5月末まで実施する割引。

 秋田県は4月3日から5月31日まで「『旅して応援!』あきた県民割キャンペーン」を実施する。県内在住者が対象で、県民であることを確認するためチェックイン時に免許証などで住所を確認するという。

 補助額は1人1泊(回)最大5千円+最大2千円の地域限定クーポン配布。ただ、クーポン券は4月下旬をめどに開始する。代金・旅行商品については、代金の50%(1人当たり5千円)を上限に割り引く。

 地域版Go Toが地域活性化の一助になることを願っている。


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