【観光DX 5】観光地経営の高度化 データの蓄積、可視化、活用を


 観光庁が有識者会議の議論を踏まえて公表した報告書「観光DX推進による観光地の再生と高度化に向けて」の内容を前回に引き続き紹介する。今回は「観光地経営の高度化」に関する記載部分を掲載する。       ※報告書本文から抜粋し、一部を省略、編集している。

現状・課題

1.観光地経営を行うDMO等における観光地経営の方針策定に関する課題

 DMO等が策定する観光地経営の戦略は、地域内の多くの関係者との調整の結果、総花的な内容になる傾向があり、優先・重視すべき項目が不明確であるだけでなく、ビジョンや目標が定められていないような場合も多い。この戦略にDXの推進やDX実現に必要なデジタルツールの整備・導入に向けた方針を盛り込んでいる地域は少ない。

2.観光地を「経営」するための判断材料の集約・整理に関する課題

(1)経営に必要な判断材料の認知・理解不足 

 観光地経営を行うにあたり、ウェブの閲覧、予約、宿泊、消費、移動、満足度等の旅行者に関するデータから経営状況を把握することは重要である。しかし、各地域の経営戦略、規模、特性に応じて、必要なデータの種類、量、分析方法を認知・理解し、データの取捨選択を効果的に行うことができている地域は少ない。

(2)判断材料を蓄積する仕組みの構築

 観光地の経営状況を判断するためのデータの蓄積に必要な仕組みが確立されていない地域が多い。持続可能な観光地経営を実現するには、継続的なデータの蓄積が可能な仕組み・体制を構築したうえで、定期的に経営状況の見直しと経営戦略の改善を行うことが必要であるものの、取り組めている地域は少ない。

(3)整理・集約された情報を判断材料として「経営」に活用する際の課題

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