観光経済新聞社は8月22日、観光業界の識者を招いてのオンラインセミナー「観光経済新聞チャンネル」の第20回配信を行った。九州国際大学現代ビジネス学部教授・博士の福島規子氏が、「配慮行動から生まれる日本のおもてなし~ハイコンテクストサービスの生成過程について~」をテーマに講演した。
福島氏は、サービスコンサルタントとしてホテル、旅館などのオペレーションシステムの構築を手掛けてきた経験から、旅館・ホテルにおけるサービスとして、自発的なおもてなし(配慮行動)の付加により進化した「ハイコンテクストサービス」と、マニュアル化されたサービスのみで形成される「規格型サービス」の二つを紹介。前者はお客さまを感情的に満足させられるかどうか、後者は合理的に満足させられるかどうかという点に違いがあることや、これらのサービスが生まれる過程を説明した。
「顧客満足は規格サービスの積み重ねで得られるが、まさに日本のおもてなしはお客さまに経験価値を提供するハイコンテクストサービス。どちらが良い、悪いということではないが、ハイコンテクストサービスを含めながら構築していくことが旅館サービスの在り方だと考える」と併せて伝えた。
福島氏は本紙でコラム「学術×現場」を連載中。接客サービスの現場で起こる事象を福島氏の知見をもとに解説している。