源氏物語ゆかりの地「大津」。千年の時を超えて再び、文学の聖地として脚光を浴び始めている。
きっかけは2024年本屋大賞を受賞した大津市が舞台の小説『成瀬は天下を取りにいく』(新潮社)。著者の宮島未奈さんは大津市在住で、作品では主人公・成瀬あかりが住む膳所エリアをはじめ、ミシガンクルーズ、近江神宮、浜大津、京阪電車など大津市内の観光スポットが登場し、成瀬自身がびわ湖大津観光大使となって観光地をPRする。大津市を中心に同書の人気は全国へと広がっており、作品の聖地巡りをするために大津市を訪れる人も増えている。
大津市では作品に合わせたイベントを順次展開しており、滋賀県が導入しているデジタル地域コミュニティ通貨「ビワコ」を使いながら同書の続編『成瀬は信じた道をいく』のゆかりの地をめぐるデジタルスタンプラリーを6月末まで開催中。今夏以降も、成瀬がおすすめする観光スポットを巡るスタンプラリーや、琵琶湖汽船と連動したキャンペーンを行う。