
海外事例から学ぶ=コロナ禍におけるスウェーデンの生き残り対策(後編)
前回(7月18日号)の当欄に続き、コロナ禍でもホテル集客を急速に回復させたスウェーデンの事例を紹介する。ヨーロッパ諸国と比べて、スウェーデンは、レストランやホテルを休業することなく営業し続けたという実績があった。スウェーデンの生き残り対策を学び、コロナ禍の集客へ活用しよう。
前回掲載した対策の(1)(2)に続き、(3)~(6)を紹介する。
(3)延泊、長期滞在をアップセルする。海外旅行ができないため、国内、近距離の旅行を検討する旅行者が増えると予想し、1回の予約で、より長く滞在してもらえるような延泊(〇〇泊以上で特典=朝食、アップグレード)のオファーに注力する。※参考ホテルhttps://www.hotelkungstradgarden.se/
(4)ギフト券(宿泊券、レストラン利用券など)を販売し、直近の売り上げを確保する。旅行に行きたいと検討していても、現状では予約確定まで至らない、将来の旅行者へ向けてギフト券を販売する。政府の規制が解除された後に利用できるよう、対象期間はフレキシブルに対応できるようにしたり、金額は事前決済プランと同様の考え方で割引価格も検討する。
(5)ターゲティングオファーを活用する。AIや機械学習機能を活用し、予約確度の高いユーザーがホテルウェブサイトを訪問した際に割引率の高いプランや、アップセルのオファーが目立つように表示できるような仕組みをつくる。
(6)ファン・フォロワーを増やす、つながりを強化する。予約には至らないものの、サイト訪問者へは、ホテルのメルマガ会員の登録を促し、状況が良化してからホテルを利用してもらえるよう、メルマガ限定のプランや、ホテル情報を定期的に発信し、ファンとのコミュニケーションを継続的に行えるような土台をつくる。※参考ホテルhttps://hotelcstockholm.com/
ここ最近では日本国内でも見られる施策があるが、スウェーデンはこれらの対策を3月から実施していたということが、集客の減少の歯止めにつながり、回復も早かったと言える。
(コレリィアンドアトラクト代表取締役)