【皇室ゆかりの宿特集】雲仙観光ホテル(長崎県・雲仙温泉)


山小屋風建築のホテル

九州唯一のクラシックホテル

 古くから外国人の避暑地としてにぎわい、日本初の国立公園にも指定された雲仙。昭和7年、外国人観光客誘致のため、国策で日本各地に外国人向けのホテルが建設されることになり、この地にも洋風スタイルのホテルが建設されることになった。それが現在の雲仙観光ホテルだ。創業は昭和10年10月10日。以来、80余年の長きにわたり、同地を訪れる内外の観光客や地元の人々に親しまれてきた。

 九州唯一のクラシックホテルの同館は、昭和54年に日本建築学会の「近代日本の名建築」、平成15年に文化庁の「登録有形文化財」に登録。同19年は長崎県から「まちづくり景観資産」、経済産業省から「近代化産業遺産」にそれぞれ指定されている。

 皇室との歴史も古い同館。昭和13年は久邇宮妃殿下が佐世保海軍、大村陸軍病院慰問のため皇族として初のご訪問。同36年は当時の天皇皇后両陛下が雲仙へ行幸の際、宿泊された。さらに平成に入り、7年は第49回全国野鳥保護の集い開催に伴い、常陸宮殿下、同妃殿下が宿泊されている。

 スイスシャレー様式を取り入れた山小屋風の建築。全39室の客室は昭和天皇をはじめ、多くのVIPが宿泊したラグジュアリーな特別室からスタンダードな部屋まで、創業当時の風格を備えたさまざまなタイプをそろえている。

 高い天井と磨かれた木の床が印象的なダイニングでは、雲仙と島原半島の厳選された食材を使ったフレンチを提供。

 浴室はドーム型の天井とステンドグラス、アールデコ調のデザインで配されたタイルで装飾。「雲仙地獄」から湧き出る源泉掛け流しの硫黄泉を心ゆくまで楽しめる。

 昔から長期滞在の宿泊客が多かった同館だけに、バー、図書室、映写室、撞球室(ビリヤード室)と、パブリック施設も充実している。

▽長崎県雲仙市小浜町雲仙320。TEL0957(73)3263。http://www.unzenkankohotel.com/

山小屋風建築のホテル

特別室

雲仙観光ホテル | 公式サイト

 

※本特集記事は、観光経済新聞4月27日号(新天皇陛下の御即位前)に掲載したものです。


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