現代、多くの人にとって鉄道は、速さ、安さ、快適さを求められる、手軽な交通手段の一つ。だがかつて、鉄道の存在ははるかに大きなものだった。鉄道敷設には必ず理由があり、設立当初は少なくとも一つ以上の使命を帯びていた。
米屋氏は、鉄道に生活感や歴史を求め、旅をしながら撮影を続けるカメラマン。人の手により受け継がれる鉄道遺産を取材した「ニッポン鉄道遺産」(交通新聞社・共著)など著書多数。
同書は、沿線に残された鉄道遺産や郷土史を掘り起こし、鉄道が求められた理由を紹介。軍事演習用にできた新京成電鉄、石灰石運搬用にできたJR青梅線など、全21路線の歴史をひもとく。
価格は900円(税別)。222ページ。問い合わせは、交通新聞社TEL03(6831)6622。