【日旅連総会特集】日本旅行 執行役員 福岡雄二 氏に聞く

  • 2021年3月9日

日本旅行 執行役員 グローバルソリューション営業本部長 福岡雄二氏

海外エージェントと関係を強化

 日本旅行の「インバウンド」について、今年度の重点施策を聞いた。(聞き手=本社・森田淳)

 

 ――新型コロナでインバウンドがほぼストップしている、かつてない厳しい状況だ。

 福岡 昨年はオリンピック・パラリンピックの年で、訪日4千万人を目指す年でもあったが、全く予期しない状況になってしまった。

 当社としては、1月の取り扱いは好調だったのだが、2月に下がり始めて、3月から一気に仕事がなくなった。3月以降は予約のキャンセルや、現在の予約を今後どうするかなどの対応に追われた。

 11月からはビジネストラックとレジデンストラックが少しずつ動いてきた。中国やベトナムからの留学生や技能実習生の取り扱いがあったが、数としてはわずかで、観光型の取り込みは全滅の状態が続いた。

 われわれはヨーロッパ、アジアを中心に、海外のエージェント約700社とお付き合いがある。現在は、海外のエージェントと近い距離を保つという意味でも、彼らに対し、感染状況など日本の最新情報を頻繁に提供することに注力している。

 従来、台湾は中国、韓国に次いで3番目に訪日客の受け入れが多い地域だが、現状では日本の安全性を疑問視する声が上がっているようだ。世界的に見れば日本は感染者が比較的少なく、安全な国だと思われているが、さらに感染が少ない台湾やシンガポールからは、逆に日本は危ないのではないか、敬遠したいという声が聞こえてくる。

 そのため、日本の感染状況や感染防止対策、安心安全に向けた取り組みの最新情報を、メールマガジンや動画投稿サイトで海外に積極的に配信している。加えて、日本の旅館・ホテルの情報や文化、風習などについても、当社が独自に撮影した動画などで配信している。

 ――今後のインバウンド市場について。

 福岡 コロナの収束状況にもよるが、まずは個人のお客さまから需要が回復すると思われる。また、国からは東京オリンピック・パラリンピックの開催に向けて“管理型”でお客さまを動かすという計画が出ている。団体旅行はガイドが旅行者の行程を完全に管理する形で試験的にスタートすることになると思われる。ウィズコロナ期は、しばらくはそのような形にならざるを得ない。

 ワクチンがしっかり効いて、感染者数が減れば、来年の春ごろには通常に近い形に戻るのではと期待している。

 ――今年の御社の取り組みは。

 福岡 海外のエージェントとの関係強化に引き続き努める。

 さらには日本国内にいる在留外国人の方々への営業。これも実は、昨年から進めている取り組みだ。かなりの数がいらっしゃるが、日本の風習に慣れていないとか、言葉が心配という方が少なくない。そのような方々へ安心して楽しめるツアーを提案する。

 オンラインツアーにも取り組んでいる。ビデオで事前に収録したコンテンツを流す疑似体験のようなものではなく、現場の状況を生で配信するものだ。われわれと契約している通訳案内士に日本各地を歩いてもらい、外国語でガイドをしてもらう。既に東京の渋谷や埼玉の川越など数カ所で行い、エージェントを含めて海外の多くの方に視聴していただいている。台湾ではテレビ番組でも紹介されたほどで、かなり興味をもたれている。参加費は千円、2千円とお安いので、日本の自治体や企業などの協賛を得て、事業化できる仕組みを作らなければと思っている。

 当社には40人ほどの外国人スタッフがいる。国籍でいうと12カ国ほど。それぞれ、国ごとに日本にコミュニティがある。その需要を掘り起こせないかと、今、スタッフに動いてもらっているところだ。外国人ならではの知見を地方自治体から求められることも多く、各地でアドバイザー的なこともさせていただいている。

 昨年は行政の招聘(しょうへい)事業にも関わらせていただいたので、そのような事業の取り込みをしっかり行うことも大事だ。

 ――中長期的には。

 福岡 まずは当社の強みを維持すること。例えば欧米の人を対象にした桜や雪まつりなど、その時期ならではのシリーズツアーの造成。

 富裕層の取り込みも進めなければならない。日本全体として、どう呼び込むか。そしてその中でわれわれがどう取り込むか。

 最も拡大しているFIT市場への取り組みも重要だ。個人型商品のウェブ販売にも注力する。

 ――訪日の地方分散、旅館の利用促進は。

 福岡 リピーターの拡大により、ゴールデンルート以外を希望されるケースが非常に増えている。旅館も含めて地域の情報を引き続き積極的に発信したい。

 ――日旅連の会員に一言。

 福岡 私が担当するグローバルソリューション営業本部の今年のスローガンは「これからも、いつまでもベストパートナーを目指して」。お客さま、そして旅館・ホテルなど施設さま、関係する皆さまにとってベストなパートナーでなければ、という意味を込めている。

 今はソーシャルディスタンスが叫ばれているが、心のソーシャルディスタンスは一切取らずに、皆さまと密接に、送客の拡大に努めたい。

 

日本旅行 執行役員 グローバルソリューション営業本部長 福岡雄二氏

 

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