【旅館ホテルのおもてなし 69】盛り付け 大谷 晃


 器に盛られた日本料理を見て、美しいと思う人も多いでしょう。日本料理は単に素材を味わうだけでなく、目で楽しむ要素も持ち合わせています。

 日本料理には三真という考え方があります。「切り方」「盛り方」「色の組み合わせ」がそれにあたります。これらは日本料理のデザインを大きく左右するものです。盛り付けはもちろん、器についても、色・素材・形を季節に応じて使い分けることが大事です。

 ●盛り付けの基本

 右が上位

 日本料理は全て右側が上位です。食べる人から見て右上の物から、格上の素材を盛り付けるようにします。

 天・地・人

 宇宙の万物は天と地と、その間に立つ人で構成されます。日本料理は天・地・人を盛り付けによって表現します。具体的には、高い物、低い物、その中間の物を一つの器の中に演出します。あるいは山水盛といって、遠景の山、近景の山、中間の山と三つの山を造るようにします。

 奥は高く、手前は低く

 奥にある物は高く、手前の物は低くして、見栄えをよくします。

 奇数が優先

 陰陽の考え方では、奇数(陽)を尊ぶため、盛り込む料理の数は奇数にし、盛り付けはアシンメトリー(非左右対称)にします。中国料理や西洋料理がシンメトリー(左右対称)であるのに対し、これは日本独自のものです。

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 ■日本ホテルレストラン経営研究所=ホスピタリティ業界(旅館、ホテル、レストラン、ブライダル、観光、介護)の人材育成と国際交流へ貢献することを目的とするNPO法人。同研究所の大谷晃理事長、鈴木はるみ上席研究員が監修する書籍「『旅館ホテル』のおもてなし」が星雲社から発売中。問い合わせは同社TEL03(3868)3275。

 
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