2019年の新春を迎え、謹んで新年のごあいさつを申し上げます。
おかげさまで昨年も47都道府県組合理事長、全国の組合員の皆さまに支えられながら、さまざまな課題解決に向けた取り組みができましたことを感謝申し上げます。
特に、住宅宿泊事業法(民泊新法)が昨年6月15日に施行され、施行直後には宿泊客の民泊シェアはわずか0.3%にとどまりました。このことは何よりも皆さまが一体となって同じ旗印の下、行動してくれたおかげであり、改めて御礼を申し上げます。
そして次なる課題は、改正出入国管理法の施行であります。これにより、悲願であった宿泊業界にも人手不足解消の一助となる外国人労働者を迎えられるようになります。この成果は、政府および観議連との強い絆とその後押しがあったおかげであり、関係各位には改めて感謝申し上げます。これを受け、これから大切なことは、外国人材受け入れの環境整備を進めることです。お客さまも外国人、働き手も外国人といった、否応なく進む国際化という大きな潮流が私たちを飲み込もうとしています。そうした中、私たちはこのことをしっかりと受け止めて、わが国の人材を含めて優秀な人材を他業種や他国に先駆け、一人でも多く勝ち取らなければなりません。そのためには、旧態然とした従来のようなやり方では通用しなくなってきております。
具体的なアクションといたしましては、小さな成功体験を積み重ねていくことだと思っています。そのためには、相手国の民間企業との接触よりも、政府関係機関や大学と連携し、円滑かつ適正な送り出しの社会システムや、帰国後の受け入れの社会システムも含めて構築することが、両国の宿泊産業にとって大きな価値を生むと考えております。幸いにも、ベトナムでは昨年10月18、19日にハノイ国家大学をはじめとする9大学、さらには観光総局との人材交流の連携協定を締結し、その芽を発芽させることになりました。全旅連にとって小さな一歩かもしれませんが、近い将来、成長し、幹を伸ばし、そしてたわわに果実を実らせると期待しております。
このことは、民泊問題解決に取り組んだ時に自己利益追求だけでは誰も助けてくれないと気付いたところからです。私たちの本来の使命は、あくまでも社会とともにあり共助の関係でなければならないということを痛烈に学んだからであります。
そこで、私は新たに「夢、百年。」というスローガンを掲げることにしました。
この「夢、百年。」の意味は、社会とともに共存共栄しようという精神を次代につなげること。そして何よりも少し先ですが、百年先の未来を信じ、夢(あるべき業界の姿)という目標に向かって突き進むということであります。そのためにも、観光宿泊産業で全国に最大の組合員を有する全旅連が「課題・目的に向かって」一つになり、進んでいくことがわが国の観光産業を国の基幹産業として位置付けると確信いたしますので、さらなるご指導、ご鞭撻(べんたつ)のほど、よろしくお願い申し上げます。
最後になりましたが、本年が皆さまにとりまして良き年になりますことを祈念致しまして、ごあいさつといたします。