【地方再生・創生論 202】「障害者」にかわる言葉「HCP」を提案する 日体大理事長 松浪健四郎

  • 2021年2月25日

松浪氏

 5年前に北海道網走市に日体大は高等支援学校を設置した。以来、「障害者」なる語をよく使うばかりか、記述する場面も多い。

 しかし、この「障害者」と書く場合、なんとなく、しっくりしない。自治体によっては、「障がい者」と表記している。「害」の字の印象が、あまりにも悪すぎる。それで「害」をひらがなにしているのだ。

 「障害者」と表現する日本語は、ひどすぎる。人間を人間として表わさず、2等品の物品であるかの扱いに心ある人なら立腹するだろう。もっと人間らしい日本語はないのだろうか。私は「障がい者」の表記も良いとは思わない。「障」も良い意味を表す字ではない。で、「害」だけをひらがなに改めたとしても、わずかな気休めでしかあるまい。

 運動会を想起していただきたい。「障害物競走」が、人気高いプログラムの一つだった。この際の「障害」を、身体の不自由な人たちと同列に扱っている日本語、ひどすぎると感じて当然である。

 「健常者」を障害のもたない人として表現するが、この表現も最適だとは思えない。外見だけの表現で、内臓諸器官に欠陥や病気があろうとも「健常者」なのである。

 「障害物競走」の障害は、ランナーの走りを邪魔する物を指す。辞書では、「障害」は、さわり、さまたげ、じゃま、とある。こんな意味をもつ語を人間の呼称に用いるのは、時代に合致していないのではないか。法律でも、「障害者基本法」「障害者自立支援法」等があり、「障害」なる語は悲しいことに定着してしまっているのだ。

 「障がい者」の障害は多岐にわたる。英語では、ハンディキャップッド・パーソンで、総称はザ・ハンディキャップド。それほど嫌みを感じさせないし、理解しやすい。加えて人間としての温かみを感じさせ、日本語のごとく「物」扱いで「邪魔」とは異なる。

 今日まで、政府や自治体でも「障害者」にかわる日本語を研究したのだろうが、悲しいことに新しい表現の語が出てこないのだ。果たして、いつになれば、新しい呼称たる日本語が生まれるのだろうか。

 いずれにせよ、「障害者」の表記についての議論は十分とはいいがたい。最適な日本語が見つからないのも理解できるが、この際、英語の頭文字を用いたらいいと私は考える。ハンディの「H」、キャップッドの「C」、そしてパーソンの「P」、続けて「HCP」ではどうだろうか。「障害者」よりはいいと思う。

 私たちは、「障害者」の立場に立って、表記について考えてこなかった。自治体によっては、「障がい者」としているにつけても、「障」をひらがなにできなかった。「非健常者」なる表記も考えられるが、しっくりこない感じがする。「HCP」の方が、いい印象を与えるように思われるがどうだろうか。

 かつての日本語の中で「からだ」の障がいを、現在ではラジオ、テレビ、新聞では用いることができない語がかなりある。古い小説や映画では一般的に使われていたが、今では使用しない。人権の問題もあろうが、ハンディをもつ人に対して、日本語はやさしさを欠いていた。とはいえ、適当な日本語がなく、改めることができずに「障害者」が使われてきた。

 パラリンピックが人々の興味を高め、ハンディを背負う人たちに対しても理解を深め、共生社会が当然視されるようになった。どの役所、企業、学校でも「障がい者」を雇用しなければならない法律ができた。各ハローワークでは、そのチェックを厳しくしていて、真の共生社会の確立を政府は目指しているのだ。

 「しょうがい者」にかわる漢字、日本語がなく、各省庁や自治体も困っている。ならば、私の提案する「HCP」の使用を検討していただきたい。漢字が適当でないのでひらがなにするという発想ではなく、「障害者」を使用しないと決めるべきである。

 自治体が思い切って「HCP」を用いてくれれば、全国に普及する可能性がある。「HCP」を広めたいものだ。

 
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