【地方再生・創生論 186】外国籍の子どもに就学義務を 日体大理事長 松浪健四郎

  • 2020年10月16日

 DeNAのラミレス監督は、日本滞在が長いが日本語を話せない。数年前、監督のおいが日体大荏原高校に入学した。が、3年後の卒業時には流ちょうな日本語を話せるように成長していた。プロ野球の外国人選手のほとんどが英語を解する。ラミレス監督も英語が上手。

 プロ野球選手は、力量を認められて来日するため、日本語を学ぼうとしない。どの球団にも通訳が雇用されている上に、日本人選手も初歩の英語を話す。で、日本語を上手に操る外国人選手が出現しない。また、プロ野球の外国人選手は、なかなか日本人女性と結婚しないので、日本語が上達しない。

 他方、大相撲の外国人力士には、おしなべて日本人と同等の日本語会話力がある。部屋に入門した際、右も左も理解できない外国人力士たちは、兄弟子からも学ぶと同時に独学する。日本語を学ばなければ、生きていけない世界、熱心に勉強するのだ。角界では日本語以外通用する言語がないので必死だ。

 その国で暮らすには、その国の言語を身に付ければ毎日が楽しくなる。行動範囲、好奇心等、全てが広くなる。アフガニスタンで3年間生活し、ペルシア語を身に付けた。耳学問であるが立派に通用した。が、家内は私よりも英語力がなかったので、ペルシア語は私よりも上達。通訳としても活躍してくれた。言葉は文化、その社会で生きていくためには、どうしても身に付ける必要がある。

 外国籍の子どもは、日本で生活しながらも彼ら2万2千人が、学校に通っているのか不明だという。いわゆる「就学不明」である。外国籍の子どもたちには、就学義務がないのだ。生活環境も関係あるのだろうが、外国人労働者の子弟たちは就学せず、日本語を学ばない現実は悲劇である。法律をもって、日本で生活するのなら、日本の学校で教育を受けさせるようにするべきだ。地方自治体の教育委員会は、とりあえず「就学不明」を調査し、しっかり通学させるように努力してほしい。

 日本国内にインターナショナルスクールやフランス学校、ブラジル学校、ドイツ学校、そして朝鮮学校、韓国学校、中華学校等がある。これらの学校は、「立派な日本国民を育てる」目的を持たず、教科書も言語もまちまちだ。つまり、学校教育法第1条に規定される「1条校」として公認されていない。外国籍の子どもでも希望すれば、日本人と同様に無償で公立小中学校で学ぶことができる。

 もし、日本人が「1条校」以外の学校に通学するとなると、義務教育を受けていないために毎年、わずかだが罰金を払わねばならない。

 私は、ここで訴えたいのは、外国籍の子どもたちに対しても就学義務を果たし、教養、道徳、そして日本語を身に付けさせるべきだと考える。そのことは、国際交流が日常のものとなり、全国にグローバル社会の到来を認知させることができる。異文化理解は、小学生時代から経験させることにより、憲法第14条でいう、「人種差別をしてはならない」ことを学ぶ。すでに日本に外国人は約285万人が暮らす。外国人に対する偏見、差別意識をなくし、義務教育の「就学不明」をなくし、多くを日本の学校に通学させてほしい。

 2016年に「教育機会確保法」が成立した。日本人の不登校の子どもたちにも学ぶ権利を保障する法律で、フリースクールや家庭での学びを認めたり、各自治体に夜間中学の設置を促した。学び方の多様性をうたい、「1条校」にとらわれない発想から出た良い法律だ。

 外国籍の児童・生徒が入学してくれば、最も重要なのは、「日本語」の特別授業を実施しなければならない点だ。各自治体の教育委員会は、この少数の外国人の子どもたちのために充実した日本語教育を期待したい。たとえ外国籍の子どもであろうとも、先進国として彼らにも学ぶ権利の保障をせねばならない。

 日本政府は、「1条校」にこだわるあまり、「就学不明」を増加させている。あらゆる教育を認めてこそ日本は先進国だと思うのだが。

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