奈良県旅館・ホテル生活衛生同業組合吉野支部は、吉野山の白山桜を京都嵐山に植樹する事業を行った。今から約750年前の後嵯峨上皇の逸話に基づいた取り組み。
「日本一の桜の名所」といわれる吉野山。後嵯峨上皇は、この美しい景色を京都嵐山に近い所に再現したいとの思いから、吉野山の桜を同地に移植させたという逸話が残っている。ただ、現在は以前ほどの桜が見られないという。
奈良県旅組吉野支部は、京都府旅館ホテル生活衛生同業組合青年部会とともに、この後嵯峨上皇の歴史を再現しようと「昔を今にプロジェクト」を立ち上げ。令和5年2月、多くの関係者の参加のもと、京都嵐山の国有林、五つの寺の境内に合計約100本の吉野山の白山桜を植樹した。
嵐山国有林には吉野山のシンボル金峯山寺蔵王堂(世界遺産、国宝)から移設したといわれる蔵王権現堂という小さな堂があり、吉野山にも嵐山という小さな山があるなど、両者には深い縁がある。
「今回の植樹をきっかけに両者が今後も協力し、吉野山の桜の美しさを改めて全国に知ってもらうとともに、京都嵐山を750年前の昔の姿『桜の名所』に近づけたい」(同支部)。