【体験型観光が日本を変える 127】参院選と若者の暮らしぶり 体験教育企画社長 藤澤安良

  • 2019年7月15日

 参院選が告示され、全国で370人が立候補し選挙戦に突入した。テレビで行われた党首討論も聞きはしたが、現状ではだめな社会問題は山積しており、それをどのような手順でどう変えるのか、明確なビジョンが示されないまま、誰もが他党を批判したり、目先の話に終始して面白くない話が続き、チャンネルを変えてしまった。

 党首は当然ながら政治家の力量が問われる。選挙年齢を18歳に引き下げてから、3度目の国政選挙を迎える。過去2回は18~19歳の投票率が50%を下回るというお粗末な結果であった。若者が関心を示さない政治のあり様も問われる。その若者の暮らしぶりが気になる。

 相変わらず、スマートフォン(スマホ)に取りつかれたように、歩きスマホ、自転車スマホなどのながらスマホ、電車などの交通機関内はずっとスマホ、4時間の高速バス車内で一時もスマホから目を外さなかった20代前半の男性が横にいた。都内の電車の中では中高年までスマホの画面にくぎ付けである。

 特別な大きいニュースがないのに画面に見入る人、ゲームに興じる人、ファッションや物品購入サイトをチェックする人、誰かにメールを送る人とさまざまである。私は、そんな人々の動向を見ているだけだが、全くうらやましくも、つらくも、寂しくも、取り残された感のみじんもない。夫婦や恋人と思しきカップル同士も会話がなく、それぞれに画面を見ている。

 情報や買い物が即座にできて便利ではあるが、記憶に残らないのか、何を見たのか覚えていない人も少なくないだろう。また、その機器を使ってお金をもうけている人はごく少数であり、通信料や買い物にお金が減るのが大半である。

 つまりは、利便性が良く、生産性が高まることもあるが、多くは消費時間となり、浪費時間にもなりかねない。会話でのコミュニケーションも激減している。この莫大な時間を生産性の高いことに使わなければ、日本は経済も人間関係力も滅びてしまうのではと懸念している。

 また、たまに立ち寄るコンビニエンスストアは都会でいうに及ばず、田舎でも客が多い。中でも、弁当、おにぎり、サンドイッチ、麺類などの食品と飲み物が圧倒的に売れている。つまりは、その分家庭で食事を作っていないことの証でもある。作る人、作れる人がこのままいくと絶滅するのではと懸念している。

 ITやAIの発展は便利であり、余暇時間の創出であり、人間的な時間の獲得であったが、怠惰と浪費に向かうベクトルに乗り間違えている。

 多くの乗り間違いに気付くのは、大自然の包容力と時折見せる危険、命の源の食料生産現場である農山漁村の果てしない魅力、艱難(かんなん)辛苦を乗り越えてきたそこに住むたくましい人々、その人々が持つ技と匠と知恵と心意気が、人間を覚醒させる。

 今、日本と日本の田舎と日本人を救えるのは、体験交流型の観光でしかない。間もなく、戦後74年目の夏を迎える。高度成長といわれているのに、人間味と人間力は成長していない。失ったものは少なくない。原点回帰が必要である。

     
 
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