インテージは5月28日、「外出自粛下の店舗・サービス利用 生活者の行動・意識の変化」調査の結果を発表した。
株式会社インテージ(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:檜垣 歩、以下インテージ)では、緊急事態宣言の対象地域が全国拡大してから1週間後と、緊急事態宣言延長から1週間後のタイミングに調査を実施しました。
全国の15歳から79歳の男女約800人を対象に、新型コロナウイルスによる行動自粛要請下での店舗・施設・サービスの利用行動や利用に対する考え方を聴取。4月下旬時点から約3週間を経て、生活者の行動・考え方がどう変化したのかを分析した結果の一部をご紹介します。
[ポイント]
- 4月時点より利用・購入が増えているサービス:「WEB会議」は5pt増の12%、「スマホゲーム」は3pt増の7.4%。この他、「有料動画配信」、「電子書籍」、「フィットネス器具」、「身の回り品/嗜好品」も微増
- 巣ごもりの困りごと: 6割弱が「運動不足」。「生活リズムの乱れ」「友人・知人との会話・コミュニケーション不足」、それぞれ3割弱。子どもについて、「学力・能力低下」「ゲームのしすぎ」を3割弱が懸念
- 『自粛要請が緩和・解除される頃』に利用が戻りそうなこと: 「バス」「スーパー」「モール」「ヘアサロン」などは4月より5pt以上増。 「国内線」「海外旅行」「劇場」「テーマパーク」などでは3pt以上減
4月時点より利用・購入が増えているサービス:「WEB会議」は5pt増の12%、「スマホゲーム」は3pt増の7.4%。この他、「有料動画配信」、「電子書籍」、「フィットネス器具」、「身の回り品/嗜好品」も微増 |
緊急事態宣言の延長から1週間を経た生活の中で、利用が増えたサービスや行動に4月からの変化はあったのでしょうか。図表1は首都圏在住者が、「利用・機会が増えた」と回答したサービスや行動です。
(図表1)
仕事・学習での「WEB会議」が増えたという回答が1回目の調査から2回目の調査で5ポイント以上 多くなっています。在宅勤務が広がり 、オンライン環境での業務の必要に迫られている生活者が増えていることが想像されます。
また、「スマホゲーム」「有料動画配信サービスへの加入」「電子書籍の購入」「フィットネス器具の購入」「身の回り品/嗜好品の購入」が1回目の調査から2回目の調査で僅かながらですが、伸びているようです。エンタメ系のサービスや快適に暮らすための商品の購入など、巣ごもり生活を少しでも充実させるために、実際にお金を使う人が増えている様子がうかがえます。
巣ごもりの困りごと: 6割弱が「運動不足」。「生活リズムの乱れ」「友人・知人との会話・コミュニケーション不足」、それぞれ3割弱。子どもについて、「学力・能力低下」「ゲームのしすぎ」を3割弱が懸念 |
2回目調査では、巣ごもり生活の中での困りごとについて聞いています。仕事や勉強以外の時間について聞いた結果が図表2です。子どもと同居の方にはお子さんに関する困りごとも回答いただきました。
(図表2)
自身も、子どもについても、困っているのは圧倒的に「運動不足」という回答でした。次いで「生活リズムの乱れ」「友人・知人との会話・コミュニケーション不足」と続きます。子どもについては、「学力の低下」「ゲームのしすぎ」といった点も挙げられました。
海外では外出自粛制限の解除後に、再度緊急事態宣言が発令される例も出ており、第2波、第3波に備え、運動不足解消のサービス、子どもの学力維持を手助けするサービスは引き続き求められていきそうです。
利用を以前と同じに戻すタイミング: 「バス」「スーパー」「モール」「ヘアサロン」などは『自粛要請が緩和・解除される頃』が4月より5pt以上増。 「国内線」「海外旅行」「劇場」「テーマパーク」などでは3pt以上減 |
最後に、利用が減ったサービスについて、「どのような状況になれば以前と同じように利用しようと思うか」を聴取したた結果をご紹介します。
「行動自粛・休業要請が緩和・解除される頃」と回答された結果を比較したのが図表3です。
(図表3)
「路線/コミュニティバス」「スーパー」「ショッピングモール/ホームセンター」「山/海/川」「スポーツやダンス教室」「理容店/美容院・ヘアサロン」で、『自粛要請が緩和・解除される頃』と回答した人が1回目の調査から2回目の調査で5ポイント以上増えました。
逆に、「航空機(国内線)」「海外旅行」「劇場/ライブハウスなど」「テーマパーク/遊園地」については3ポイント以上減っています。
日常的に利用するサービスについては、緊張状態が緩和され、自粛が解除されれば以前のように利用を戻してもいいだろうと感じる人が増えているようです。一方で、密閉空間での長時間の移動や滞在、大規模な人数が密集する場所などについては、自粛要請が解除されても、警戒心は容易に下がらない心理がうかがえます。
日々刻々と変わる状況の中、生活者のサービス利用に対する考え方や意識は今後どのように変化していくのか、インテージでは、いま起きている変化を引き続き追いかけます。
ここに掲載しきれなかった内容を含む記事を、インテージのオウンド・メディア「Intage 知る gallery」(https://www.intage.co.jp/gallery/)で公開しています。
⇒https://www.intage.co.jp/gallery/covid19-dcgs-2/ あわせてご参照ください。
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使用したデータ
【インテージのネットリサーチによる自主調査データ】 https://www.intage.co.jp/service/research/net/
調査地域:日本全国
対象者条件:15~79 歳の男女
標本抽出方法:弊社キューモニターより抽出しアンケート配信
ウェイトバック:2015年度実施国勢調査から推定されたエリア×性年代の人口構成比に合うようにウェイトバック集計
標本サイズ:第1回 n=823 /第2回 n=835
調査実施時期: 第1回 2020年4月24日(金)~27日(月)/第2回 2020年5月13日(水)~5月15日(金)
調査項目:自粛要請中のサービス利用状況、流行以前の状態に戻るサービスとそのきっかけ、働き方・テレワーク実態、
自宅での過ごし方(ゲーム・動画など)、外出時の移動手段 など