【コロナ新時代への提言】日本旅行業協会(JATA)理事・事務局長 池畑孝治氏

  • 2021年5月26日

池畑氏

感染防止、質の高い旅行販売へ

 昨年1年間のJATA会員の旅行取り扱いは、訪日や海外旅行が4月以降ほぼ消滅し、前年比71%減と大幅な減少となった。7月開始のGo Toトラベルで一時期国内旅行の取り扱いは伸びたが、感染拡大による11月下旬からの部分的停止や年末からの一斉停止、緊急事態宣言で再び旅行・観光需要は消失している。

 結果、一昨年約21.9兆円あった日本人国内旅行消費額は約9.9兆円(54.9%減)に減少、さらに19年6兆円あった訪日客や日本人の海外旅行での国内消費額の大半も喪失するなど、地域経済に極めて大きな影響を及ぼし、観光産業は今も未曽有(みぞう)の危機の中にいる。

 感染拡大を防止しながら旅行で地域経済を活性化させるため、旅行会社は「旅行業のガイドライン」を厳守し、旅行者には「新しい旅のエチケット」を順守していただかなければならない。さらに4月に実施した「新感染対策モニターツアー」で実証した4項目、具体的には、感染した際のお客さまによる報告やCOCOA登録の義務化、旅行前・中・後のお客さまの健康管理の記録、PCR検査の推奨を「旅行業のガイドライン」に追加することで、お客さまには安心して旅行していただき、さらには医療従事者への負担を軽減させたい。

 感染がステージ2相当の都道府県の地域観光事業支援を活用した旅行から再開し、感染拡大を防ぎながらGo Toトラベルの速やかな再開へとつなげていきたい。地域観光事業支援はいわゆる県民割で、マイカー利用で温泉旅行の印象が強い。しかしながら、地元の歴史や魅力を知らない住民は意外に多い。旅行会社ならではの企画力でテーマや魅力ある旅行商品を企画・販売する好機でもある。Go Toトラベルでも海外旅行専業社が自社顧客向けに、長期滞在の旅行や今までの国内旅行では訪れない地域を訪問するパッケージ商品の造成により、日本の良さや奥深さを海外旅行志向の顧客に伝えることができている。Go Toトラベル中断後も感染防止対策を講じ、通常代金で販売・催行されている。これらの商品は地域への経済効果も大きく、近い将来、訪日旅行の素材としても生かせるであろう。可能な地域で質の高い旅行販売に挑戦していただきたい。

 次に国際交流の再開には、感染の陰性証明やワクチン接種の証明が国際基準になると思われる。政府・与党には日本でもデジタルでの国際基準に準拠したシステムの導入とPCR検査の拡充をお願いしている。システムの導入で帰国後2週間の隔離の短縮や免除も可能になると思われる。具体的な交流の再開方策として観光庁が実施する小規模訪日旅行の実証実験に参加する、拡大が落ち着いている国・地域と双方向での「管理型旅行」から始めたい。

 依然先が見通せない状況ではあるが、政府の経営支援策を最大限活用し、来るべき時期に備え、会員の皆さまとしっかりと反転攻勢の準備を進めていきたい。

     
 
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