「温泉に来て!」群馬の旅館女将、銀座で訴え


 東日本大震災の影響で宿泊キャンセルが相次いだ群馬県の各温泉地。自粛ムードを吹き飛ばして多くの人に足を運んでもらおうと、旅館の女将らが18日、東京・銀座の「ぐんまちゃん家」に集合、道行く人にそれぞれの温泉をアピールした。女将の1人は「一時期に比べ客足は回復しているが、厳しい状況に変わりはない。少しでも思いが伝われば」と額に汗を浮かべて温泉まんじゅうなどを配っていた。

 上京したのは「群馬県女将の会」のメンバーで、草津、伊香保、四万、みなかみ、谷川、老神、赤城山の各温泉地から約30人が集まった。

 温泉ごとのそろいの法はっ被ぴやたすきを着た女将らは来館者を前に、「桜と新緑の美しさを見に来てほしい」(みなかみ)、「標高が高いところにあり、昨年の猛暑の時も最高気温は27.7度でした。クーラーいらずの宿に足を運んで」(赤城山)、「5月29日には第1回『草津温泉熱湯マラソン』が開かれます。元気を出して(被災地の)復興のために頑張りたい」(草津)などと話した。

 女将の会の塚越裕子会長(伊香保・塚越屋七兵衛)は、「先週からようやく客室の明かりがつくようになってきた」とホッとした表情を見せながらも「泊まりに来ていただき、(各地が)活気を取り戻すことが結果的に被災地支援につながる。いろいろな宿泊企画も考えています。ぜひ来て下さい」と呼びかけた。

 来館者からは、「四万温泉はどう行ったらいいのか」という質問や「旅館や地域が一体となって(集客のための)アイデアを出すべきだ。(温泉によく行く)高齢者よりも中間層をどう動かすかを考えてみては」というアドバイスもあった。

 その後、大沢正明知事らも合流。女将らとともにホウレンソウやキュウリなどの野菜や観光パンフレットなどを配った。

 ゴールデンウイーク期間中の予約状況は例年と比べ悪いが、明るい兆しも。草津のホテル一井の市川薫さんは「17日に行われた自転車レース『ツールド草津』には2800人の参加があり、温泉街もにぎわいました。やはりお客さまがあってのものですね」と笑顔で話した。

 
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