国土交通省は12日、水源や水にかかわる文化を持つ地域を舞台にした優れた旅行企画を選ぶ「“水のめぐみ”とふれあう水の里の旅コンテスト」の各賞を発表した。コンテストは3回目の開催で今回の募集には58件の応募があった。優秀賞には、東根市観光物産協会(山形県東根市)が企画した、湧水などが育むワサビや麩の食文化を体験する旅が選ばれた。
全国の旅行会社、観光協会、NPO、市町村などが応募。優秀賞、奨励賞、日帰り旅行賞、東日本大震災からの復興に向けて創設した東北特別賞の各賞に計7件を選出した。
審査委員は、安藤周治・ひろしまね理事長を座長に、大澤健・和歌山大学経済学部准教授、大島正敬・日本観光振興協会事業推進グループ長補佐兼国際事業チームリーダー、菊池辰弥・全国旅行業協会経営調査部部長、橋本拓哉・国土交通省水管理・国土保全局水資源部水資源政策課水源地域振興室長、日野俊英・全旅営業本部長が務めた。
優秀賞を受賞した東根市観光物産協会の企画タイトルは、「水がもたらす食文化体験〜食卓の脇役が主役になった記念日」。東根温泉に宿泊する1泊2日のプランとして提案している。冷たく澄んだ湧き水を生かした地場産業であるワサビ栽培と麩の製造を観光資源として、旅行者に収穫や加工、食事の体験を提供。絶滅危惧種の淡水魚イバラトミヨの生態観察なども組み合わせ、水の恵みに触れてもらう。
優秀賞以外の受賞者と受賞企画のタイトルは次の通り。
奨励賞=しらやま振興会(福井県越前市)「源流の里で出会う、コウノトリと森のおいしい水」、鹿児島県さつま町(同)「さつまリバーツーリズム・イン・川内川」、都会と田舎を結ぶ食育ネット(愛媛県南予地域)「水のみちをたどる旅」
東北特別賞=只見町観光まちづくり協会(福島県奥会津)「尾瀬から続く水の恵み 自然首都・只見 水の恵みと農村生活満喫プラン」
日帰り旅行賞=安曇野案内人倶楽部(長野県安曇野)「安曇野・水辺のガイドウォークツアー」、多摩源流こすげ(山梨県北都留郡小菅村)源流体験