「椿」で五島を活性化 サポーターに吉永小百合さん


フォトセッションに応じる(左から)松下、中村、吉永、志村、野口の各氏と江上悦生・新上五島町長

 一般財団法人松下財団(松下剛代表理事)は2月26日、東京・銀座の二十五世観世左近記念観世能楽堂で「五島の椿(つばき)プロジェクト発表会」を開催した。プロジェクトを応援する「椿サポーター」に就任した女優の吉永小百合さん(74)は五島列島の魅力を語り、「プロジェクトの成功に役立てれば」と述べた。

 プロジェクトは、長崎県の五島列島に自生する椿を核に、商品開発から消費までを循環させることで、持続可能な産業と雇用を創出し、新たな地域活性のモデルケースを目指すもの。

 五島列島は長崎市から約100キロ離れている。進学や就職で島を離れる若者も多く、人口減少が続いている。昭和30年代は15万人ほどだったが、いまは6万人にまで減り、歯止めをかけるのが大きな課題となっている。

 五島市の野口市太郎市長は「出て行った若者を五島に戻すには基幹産業である農林水産業、観光に加え、新たな産業の創出による雇用の確保が必要。椿の木は千万本以上自生しており、大きな地域資源だ。(プロジェクトは)そこに着目していただいた。市としても応援していきたい」と現状を説明、期待した。

 発表会には中村法道長崎県知事、松下財団の松下代表理事、染織家の志村洋子氏が登壇。中村知事は「プロジェクトが離島活性化の起爆剤となるよう、支えていく」と強調した。

 プロジェクトでは椿の全てを使った製品を作り、26日から五島の椿社が洗顔せっけんや美容オイルを発売した。また、帝国ホテルや伊藤園などが共同開発企業として商品開発を進めているという。

 吉永さんは五島の椿で染めた淡いピンク色の着物姿で登場。2011年にプライベートで五島列島を訪れ「とても感動しました。教会のたたずまい、空気の美しさ、ここが人が生きる原点じゃないかという気がしました」と感銘を受けた様子を語った。

 五島の食にも触れ、「私はナマコが嫌いなんですが、ここで食べたナマコはとてもおいしかった。尾頭付きのタイも200円で食べられるほか、五島牛もこしがあって美味でした」と宣伝部長さながらに五島の魅力を紹介した。

 吉永さんが出演するCMは関東、関西、名古屋など6地区で、26日から4月まで放映される。

フォトセッションに応じる(左から)松下、中村、吉永、志村、野口の各氏と江上悦生・新上五島町長

 
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