「住民視点」の観光地経営を じゃらんリサーチセンターが研究発表

  • 2021年7月23日

コロナ禍で旅の価値観変化 需要回復は旅行意向に応じて

 リクルートのじゃらんリサーチセンターが6日にオンラインで開催した観光振興セミナーで、センター研究員の森戸香奈子氏が、「国内旅行市場回復のランドスケープ 変わる? 変わらない? これからの旅の価値観」として、ポストコロナ時代の観光戦略について研究成果を発表した。アンケート調査の結果などを基に分析した国内旅行に関する意識の変化を踏まえ、今後の観光には、地域の個性を重視した住民視点の観光地経営が求められるようになると指摘した。旅行需要を回復、喚起するアプローチ策についてもターゲット別に提言した。

 コロナ下でも旅行への欲求は変わらないとしながらも、志向の変化として、地方への関心の高まり(地方にチャンス、都市圏はマイナスを最小限に)▽グループサイズが小さくなり、「自分軸」の旅が一般化(競争が激化し、地域の個性が重視される)▽持続可能な観光地経営が求められる(社会の目、地域の目)―などを挙げた。これまで以上に「地域らしさ、地域の個性を継承し支える住民視点の観光構築」が重要になると指摘した。

 今後の観光振興に関して森戸氏は「地域の人たちが何を大切に生きているのか、そこが地域らしさ。それを住民と事業者が共有し、きちんと商品に転換できるマーケティングが理想。コロナによって住民抜きの観光が考えられなくなった。住民の視点、住民の立場に立った観光を考えるべき」と訴えた。

 コロナ禍からの国内旅行市場の回復についても展望した。国内旅行への意向の強さを基準にターゲット層を三つに分割して属性を分析した。

 ▽国内旅行への意向が強く、全体の22.7%を占める「アクティブ層」=男女比はほぼ半々。単身世帯の比率が高い。感染に対する恐怖感は比較的低め。コロナの収束前でも、なんとか飲食や旅行を楽しみたい意欲がある。

 ▽国内旅行意向の強弱では中間に位置し、全体の43.2%を占める「中庸層」=フォロワー(後に続く人たち)的な要素を持ち、今年度中にはほぼ市場に戻ってくる。男性比率が高め。特に50代のシェアが大きい。

 ▽国内旅行への意向が低く、34.1%を占める「休眠層」=感染に対する恐怖心が強く、旅行意向はなかなか戻らない。経済施策では動かない層。女性比率が高め、特に50代以上の割合が高い。夫婦のみの世帯のシェアが3割近く。

 需要の回復、喚起に向けた属性別のアプローチの方向性としては、(1)アクティブ層=施策を打たずとも動く層で、ニューノーマルの旅のけん引役。正しく安心できるタイムリーな情報提供、好みに合わせた商品設計を(2)中庸層=旅行市場の回復状況を発信して「戻ってきている」感を持ってもらうことが重要。不安を解消できる提案を(3)休眠層=手を打たなければ戻らない可能性も。ワクチンが普及するまで動きにくい。寄り添うメッセージ、段階的なニューノーマルな旅の提案を―と提言した。

 
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