「ゾンビトレイン」でにぎわい創出 わたらせ鐡道を舞台に日光・桐生・みどり3市が協力


閉ざされた車内で、乗客たちは恐怖に耐えながら謎を解いていく

沿線の高校生もゾンビ役に

 わたらせ渓谷鐵道(わ鐵、群馬県みどり市)と栃木県日光市は、群馬県桐生市、みどり市と協力し、企画列車「ZOMBIE TRAIN(ゾンビトレイン)」を4日から期間限定で運行している。沿線一帯のにぎわい創出や同エリア再訪のきっかけづくりを図る同事業は、わ鐵と地元の自治体、住民の協力のもと成立している。5月27日に実施した関係者、報道陣向け試乗会の様子から、ゾンビトレインの魅力を伝える。

 桐生駅と間藤駅(日光市)を結ぶわ鐵は、地域住民の足として利用され、トロッコ列車などでも多くの観光誘客を誇るが、過疎化等の影響から近年は輸送人員の減少が続いていた。同鉄道沿線の観光需要拡大に向け、日光市が今回の企画をわ鐵、桐生市やみどり市に提案し、ユニークな企画列車の運行に至った。

 ゾンビトレイン仕様のトロッコわたらせ渓谷号1号車に乗り込むと、安全なはずの車内に突如ゾンビが現れ、阿鼻叫喚の空間へと変貌してしまう。たちまち大間々駅―通洞駅は恐怖に染まり、ゾンビたちがさまざまな恐怖を与えてくる。

 

閉ざされた車内で、乗客たちは恐怖に耐えながら謎を解いていく

 

 「わ鐵の中には5キロ以上、8分間の長いトンネルがあり、暗闇の包まれるトンネル内をプラスに転換できると思った」と日光市の上中哲也副市長。いったんゾンビに恐怖を与えられると、普段と変わらぬトンネル内もより恐ろしく感じられる。

 「遊び半分ではなく、遊び心を持って本気で取り組んでいる」(上中副市長)の言葉通り、ゾンビたちが本気で乗客を怖がらせに来るが、中にはクスっと笑えるような演出も。ゾンビに脅かされ、笑顔にしてもらえる唯一無二の体験ができるよう仕上げた。

 次々と乗客に襲い掛かるゾンビ。国内のさまざまなお化け屋敷を企画、運営する怖がらせ隊(東京都渋谷区)がプロデュースするのだが、実はゾンビの中には群馬県内の沿線の高校生がボランティアとして参加している。「わ鐵らしくないことに敢えて挑戦したかった」(わ鐵・品川知一社長)の思いとともに、高校生ゾンビたちが心を込めて乗客を怖がらせる。

 

大間々駅で乗客を迎える品川社長。試乗会当日はすでに顔半分をゾンビに襲われてしまっていた

 

 「予想以上に皆さんに怖がっていただきうれしかった。怖い以外のアトラクション要素などでメリハリが付き、しっかり楽しんでもらえた」と粉川昭一・日光市長。「足尾銅山記念館も建設中なので、わ鐵沿線に加えて足尾地域にもぜひ足を運んでほしい」と呼び掛けた。

 

レトロな風情のわ鐵の車両。粉川市長もゾンビトレインの仕上がりに太鼓判

 

 ゾンビトレインは6月18日、7月9、22、30日、8月5、19、27日、9月9日に運行予定。午前、午後に各1回運行し、料金は大人3500円(往復6千円)、子ども(小学生以下、保護者同伴の場合のみ参加可)2千円(往復3千円)。乗車定員は60人で要予約。詳細は、わ鐵ゾンビトレイン特設ページ(https://www.watetsu.com/news/news_det.php?E=1652)、問い合わせはTEL0277(73)2110。

 
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