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観光業界人インタビュー 第2747号≪2014年4月19日(土)発行≫掲載
新たな国内旅行需要を創造
リスク負う仕入にも挑戦

JTB国内旅行企画社長
大谷 恭久氏

──JTB国内旅行企画が4月1日に始動した。
 「JTBグループの国内旅行事業会社で全国唯一の発・受一体、仕入・企画造成一体となった会社だ。最大の狙いは、意思決定の迅速化を図り、マーケットニーズにスピーディーに対応し、スケールメリットを生かすこと。そして、質の向上と量の拡大の両立を切り口として新たな国内旅行需要の創出とJTBの国内旅行販売の増大を目指す」

──当面の課題は何か。
 「仕入、商品、流通、システム、組織、業務、人材の七つの改革を早急に断行することだ。特に仕入MD改革、商品改革がポイントになる。2016年度までに基盤整備を図る。2014年度の目標は個人向け企画商品『エースJTB』の取扱額で3千億円、宿泊販売額で4千億円だ」

 「増売の裏付けがないと、いい仕入も、いい商品もできない。国内旅行企画と地域事業会社との製販一体の体制を強化していきたい。全社最適と地域密着とのバランスをいかに保持するかもポイントで、事業会社との連携、地域の事業パートナーとの連携が大事だ」

──企画性の高い旅行商品作りのために客室の買い取り仕入などを積極的に行う方針だったが、現状はあまりできていない。
 「これまでの仕入は、エース、団体向け企画商品『Aユニット』、手配型団体が主であった。新会社は、『るるぶトラベル』の仕入を移管し、今後、訪日インバウンドの仕入も移管する予定だ。一般的に訪日インバウンドの需要は平日。日本人の観光需要は週末、ビジネスの需要はウイークデイだ。仕入を一手に担うので仕入のスケールが大きくなる。そのメリットを生かし、あらゆるチャネルや商品を駆使してリスクを負った仕入にも今後挑戦していく」

──新しい需要を具体的にどうやって生み出す。
 「一つには着地型事業。着地型事業は、着地単品コンテンツばかりではなく、それに加えて、私は、宿泊付きのランドパッケージを開発していきたい。外国で言うと『シート・イン・コーチ』。外国人や日本人に向けた、2泊3日以上の広域観光商品だ。今後、北陸新幹線や北海道新幹線ができる。LCCが飛ぶ。こういった状況で、これはきわめて大事な商品になってくる。また、宿泊増売の観点からは、連泊やロングステイ、ニューツーリズム、産業観光もポイントだ」

 「いつのまにか国内旅行は廉価商品の販売の方に向いていってしまった。日本の旅の素材は非常にいいものがある。旅の魅力の良さをもう一度見直して磨き上げ、価値あるものを商品化して、お客さまに情報を発信し続けることも大事だ」

 「さらに、しまなみ歌舞伎のような仕掛け、新しい国内旅行のスタイルや仕組みの創造も需要だ」

──JTB国内旅行企画の設立は、海外旅行専門ホールセラー「JTBワールドバケーションズ」の成功に習った。海外旅行に長く携わってきた大谷社長の目から見て、今の国内旅行市場について思うことは。
 「国内旅行が海外旅行と違うのは、圧倒的に宿泊単品や域内宿泊素材が多い。市場環境としてはOTA(オンライン・トラベル・エージェント)の台頭がある。旅行情報も簡単に入手でき、言葉や旅の不安感も少ない国内旅行は難しさがあるが、もう一度お客さま目線、販売店目線に戻って、本当にその商品がお客さまや販売店のニーズに基づいたものなのかを原点から見つめ直した方がいい」

 「JTBは輸送手段や宿泊施設といったハード・ソフトを持っていないので、事業パートナーとのウイン&ウインの構築を目指すため、事業パートナーのニーズをよく理解する必要もある。旅の素材が多いわけだから、素材のプロになることが大事だ。素材を目利きし、クラスター特性も加味し、最適チャネルで販売することも大事な要素だ」

──ヤフーが宿泊予約サイト事業に参入し、手数料無料モデルの宿泊プランを始める。脅威ではないか。
 「お客さま還元の5%など実質的な施設負担があると聞いている。そのポイント還元がお客さまや施設の皆さんがどう捉えているのかまだ分からない。推移を見ていきたい」

──JTBの商品は「ヤフートラベル」でも販売されていたが、どうなる。
 「るるぶトラベルなどのプランは、引き続きヤフートラベルに掲載される。ヤフープランと併存するわけだから、急激に売り上げが落ちるとは予測していない。品ぞろえも重要だ。協力関係を維持していきたいと考えている」

──新会社から事業パートナーである旅館・ホテルに対して要望は。
 「宿泊商品の増売、単価アップに向け、個人、団体、MICE、教育旅行、訪日インバウンドなどJTBの総合力を生かしていきたい。仕入については体制も人材育成もこれからだが、引き続き支援と協力をお願いしたい」

【おおたに・やすひさ】
1958年2月27日、栃木県生まれ。1980年日本交通公社(現JTB)入社。2013年からJTB取締役旅行事業本部長、国内旅行事業本部長を経て、現職。

【聞き手・板津昌義】


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