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観光業界人インタビュー 第2610号≪2011年5月28日(土)発行≫掲載
震災後の国内旅行動向

トップツアー常務
水村祐一氏

 「9.11」で世界が変わったように、「3.11」を契機に日本人の考え方が変わる可能性がある。

 観光もこれまでは団体から個人への流れの中で、職場旅行などもバラバラに行ったり、土産物なども個別包装のものが売れ筋だったりした。しかし今回の震災を機に人と人とのつながりが見直されており、旅行も、三世代旅行や団体参拝など絆の旅や心の旅、また「集団」「連帯」への注目度が高まっている。チームビルディングの場としての職場旅行や、ボランティア活動を組み込んだ旅行などのニーズが高まるだろう。土産物も大勢で消費するものが売れ始めたと聞く。修学旅行でも近年は班別行動による学習が主流だが、絆づくりの価値の再認識や緊急時の管理面の問題から、全体での見学を行うキャラバン型が復活する兆しだ。

 この震災下で、自らの命を投げ打って使命を全うした人の姿が数多くあった。その根底に流れるのは、儒教や武士道の考えに根ざした古来の「日本人の美質」だ。この美質が震災で世界中に再認識された。

 そんな中、被災県である岩手・平泉が世界文化遺産に内定した。平泉の「中世浄土思想」は、その後の武士道の確立とは切り離せない。そういった意味で、平泉は日本人の美質を省みるための場所として今後重要さを増すはずだ。

 また村井嘉浩宮城県知事が国に被災地を整備して「災害メモリアルパーク」の設立を要望する意向を示した。今回の震災は、子々孫々まで伝えるべきものだ。センターができれば世界中が防災を考えるための「メッカ」として、また亡くなられた「現代のサムライ」の姿を伝える大切な場として、また観光復興の足がかりとしても重要な存在になると考えている。

【みずむら・ゆういち】

【聞き手・小林茉莉】


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