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 ■観光業界人インタビュー 第2482号≪2008年9月6日(土)発行≫掲載
国内連泊の促進に向け尽力

日本旅行業協会(JATA)
理事長
柴田耕介氏

──国土交通省の国土交通審議官から転身し、7月7日付けで着任した。抱負を。
「10月1日にはいよいよ観光庁が設置される。だが、サブプライムローンの影響もあって景気が後退局面に入っているなど、旅行業にとっては必ずしも良い状況ではない。私としては、JATA会員が元気になれるように、旅行業界が若い人にとって魅力のある場になるように、また、お客さまにとっても楽しい旅となるように金井会長の下、できる限りのことをしたい。役所の立場から今度は業界に足場を置くわけだから、業界の発展、ひいてはお客さまの満足を中心とした視点を重視していく」

──国交省時代にJATAをどう見ていたか。
「JATAが、という話ではないのだが、民間の人の中には、『政治や行政とは関係を持つ必要はない。我々は我々でやるので一切口を挟まないでほしい、それが業界の発展につながる』という人もいる。だが、それは違うと思う。行政や政治の動向が、景気や外交の問題をはじめいろいろな部分で関係している。踏み込みすぎてはいけないが、日本を考えた時、個々の企業や業界団体は行政や政治がどうあるべきか常に目を光らせ、意見を発すべきだ。平和で豊かな社会と観光の発展は一致する」

──観光庁の創設に思うところを聞きたい。
「観光立国推進基本法の中にいろいろと書かれているが、今でも観光立国の概念は人によってそれぞれ違う。私は、インバウンドの振興はもちろんだが、日本人がもっと豊かな旅ができるような国内旅行やアウトバウンドの振興という3つの要素を完備して、『美しい国』を実現していくのが観光立国の基本的な考えだと思う。今の国の動きは、どちらかというとインバウンドの推進に力点が置かれすぎている。『観光立国』の共通認識というものが、もう少しいろいろな人の間にできることが大切だ。そうすると、次に何をしていけばいいのかはっきりしてくる」

──JATAでは「ビジット・ワールド・キャンペーン」(VWC)を推進しているが、国内旅行の需要喚起キャンペーンもぜひ実施してほしい。
「JATAは今『もっと海外へ』のキャッチフレーズで2千万人を目標にアウトバウンドに力を入れている。それだけではなく、地域活性化の観点から国内旅行の発展についても、もう少し違った形で力点が置けたらいい。JR西日本の副社長もしておられた金井さんが今、JATAの会長であるので、JRとのタイアップも含めて新しい動きにつなげていきたい。金井会長も就任の記者会見で国内振興について触れている。私もそれをサポートする」

──国内振興のためのキーポイントは。
「地元の人々が、例えばタクシーの運転手さんたちを含めて、地元の魅力を知り、発掘し磨きをかけること、そして2泊、3泊などの連泊を推進することだ。JATAの国内旅行委員会では宿泊旅行拡大のアクションプランをまとめる動きがある」

「連泊してもらうには、旅館・ホテルが地域との結びつきを強くし、周りでの楽しみを創出することが重要だ。私も最近いくつかの温泉地を訪れてみて、流れとしてはその方向にあるという気がしている。JATAとしても、そういう動きを促進していきたい」

【プロフィール】
しばた・こうすけ
57歳。1951年生まれ。京都大学法学部を卒業し、運輸省(現国土交通省)に入省。大臣官房審議官(航空局・海事局・航空局担当)、気象庁次長、大臣官房総合観光政策審議官、国土交通審議官などを歴任。08年7月に退官し、現職に。


【聞き手・板津昌義】
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