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 ■観光業界人インタビュー 第2465号≪2008年4月26日(土)発行≫掲載
開拓の余地まだある
統一プロモーションの展開を

在札幌オーストラリア領事
サリー・フィリップス氏

 北海道洞爺湖サミットが7月7〜9日に開かれる。日本における5回目のサミットで、舞台となる北海道は世界にその存在をアピールするまたとないチャンスとなる。本紙ではサミット開催を控え、在北海道の各国総領事・領事に、日本と北海道の観光の魅力や、観光振興への提言を聞いた。4回目は在札幌オーストラリア領事館のサリー・フィリップス領事。聞き手は本社顧問の石子彭培。

──洞爺湖サミットに何を期待するか。
とてもエキサイティングな行事で、札幌は忙しくなるだろう。北海道は日本の中でもとても素晴らしいところだが、外国人が日本を考える時、北海道のことはあまり分からないと思う。日本を思い浮かべるとすると、モダンな感じでいくと東京の秋葉原、伝統的な感じだと京都。北海道に世界遺産があることなどあまり知られていないが、これからサミットが開催されると、北海道は世界の人たちに注目されて非常にいいことだと思う。

北海道は、食べ物がおいしいし、自然があるし、雪まつりがあってスキーもできる。しかしこれらは中国などアジアの人たちには知られていることだが、オーストラリアやアメリカなどにはまだ知られていない。サミットはこれらをPRするいいチャンスだと思う。

──北海道の印象はどうか。
北海道に住んで2年3カ月ほどになるが、素晴らしいところだと思う。物価はそれほど高くないし、おいしいものもたっぷりある。オーストラリアは北と南では雰囲気や気候が異なるが、北海道はオーストラリアに似ているところがある。北に行けば知床があり、札幌に来れば都会的で、函館には歴史があるなど、非常に面白い。とてもいい経験をさせてもらっている。言葉も北海道はなまりがなくて、標準語で話してくれるので、分かりやすくて助かっている。皆さん心が温かで、ほかの日本の地域とは少し考え方が違うと思う。

──北海道の観光客を増やすにはどうすればいいか。
アジアなど近隣の国の人たちには、北海道観光は知られているが、まだまだ他の国に知らせる余地があると思う。オーストラリアやアメリカのPRがうまいのは、プロモーションのポリシーをつくっていることだ。日本では、旅行会社とか航空会社とか会社単位でツーリズムのプロモーションを行っているが、バラバラにやるよりも、統合してひとつのプロモーションポリシーをつくって行った方がいいと思う。

例えば、オーストラリアの若者は、京都や大阪や名古屋などの、伝統やハイテクに非常に興味を持っている。北海道も知床とか都会の札幌をミックスしたキャンペーンを行えばいい。ウィンタースポーツについては、今以上にプロモーションした方がいい。

ニセコの場合、外資が施設を建設したり、経営したりしていることは、オーストラリアではよく知られているが、投資については少し状況が変わっている。今まではオーストラリアが一番多かったが、今はオーストラリアが50%で、中国、香港、シンガポールが多くなっている。そして、20代、30代のお金を持っている若い人たちが近くでスキーをしたいと思って、近郊に土地を買っている。ただ、これからはイギリスなどのヨーロッパや、アメリカの人たちも大勢来ると思うので、そういったところへのプロモーションも行ったらいい。

北海道にとって投資が大歓迎だとしたら、もう少し英語の標識などを整備した方がいい。2、3年前に比べたら、だいぶ増えたとは思うが、富良野、知床、函館などにも増やしていけばいいと思う。私はタクシーに乗ると、運転手さんとよく話をするが、これからはオーストラリア人が夕張に進出するかもしれないという話を聞いた。本当かどうかは分からないが、ニセコから他の地域に広がっていけばいいと思う。

日本では温泉が昔からはやっているが、オーストラリアではスパが週末を中心に楽しまれている。温泉とは少し違うが、基本的な考え方は同じだ。北海道には天然の温泉が豊富にあるので、マッサージやエステを楽しめるようなスパをつくればいいのではないか。女性の立場で言えば、スキーの後にエステや買い物をしたい。ニセコや富良野も、今のままで物足りないとは言わないが、スパなどがあれば非常に便利だ。アメリカやヨーロッパの観光客は、スキー以外のこともいろいろと体験したいと思っている。昼は一生懸命にスキーをして、夕方3時頃からスパに入ったあと、買い物をして、おいしいディナーを食べて、それからナイトライフを楽しみたい。これまでのように、1日中一生懸命スキーをして、部屋に戻って、ビールを飲んですぐに寝て、次の日になったらまた1日中一生懸命スキーをするということではなく、もう少しいろいろな体験をしてみたい。民芸品を見たり、日本語を勉強したり、日本の文化を勉強したいと思っている。これらの体験を、スキーを中心にしてパッケージ化したらいいのではないか。

また、もっと観光客に来てもらいたいのであれば、冬だけではなくて、夏観光の仕組みも考えた方がいい。富良野や美瑛などビュースポットはたくさんあるが、ニセコを含め、北海道全体で見るとまだ開拓されていないようだ。

──オーストラリアのPRを。
オーストラリアは北と南では違う国のような感じになる。北は素敵な海があってハワイのような雰囲気があるし、南は北海道と似ている気候だ。オーストラリアは自然が多いし、食べ物も安全だ。島なので病気がほとんど入ってこない。ライフスタイルはカジュアルで、これも北海道に似ていると思う。また、オーストラリアには独特な動物がいる。スキーもできるし、海もあるので、興味があればいろいろと面白いことが体験できると思う。

【プロフィール】
サリー・フィリップス氏 1969年12月18日、ニューサウスウェールズ州生まれ。1991年グリフィス大学現代アジア学文学士号取得。クイーンズランド州政府開発省日本事務局シニア・トレード・オフィサー、同州政府貿易投資事務所東京ビジネス・ディベロップメント・マネージャー、同州政府貿易部北アジア担当マネージャーなどを歴任後、2005年から在札幌オーストラリア領事館領事とオーストラリア政府貿易促進庁トレード・コミッショナー。


【聞き手・石子彭培】
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