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 ■観光業界人インタビュー 第2464号≪2008年4月19日(土)発行≫掲載
住民が楽しめる町に
気軽に参加できるツアー作りを

在札幌アメリカ合衆国総領事
ダーナ・ウエルトン氏

 北海道洞爺湖サミットが7月7〜9日に開かれる。日本における5回目のサミットで、舞台となる北海道は世界にその存在をアピールするまたとないチャンスとなる。本紙ではサミット開催を控え、在北海道の各国総領事に、日本と北海道の観光の魅力や、観光振興への提言を聞いた。3回目は在札幌アメリカ合衆国総領事館のダーナ・ウェルトン総領事。聞き手は本社顧問の石子彭培。

──洞爺湖サミットで何を期待しているか。
サミットでは、北海道洞爺湖の非常に静かなところで意見交換をするということで、総領事としての役割は、そういう集まりをサポートすることだ。地球の将来を考えて、みんなが安心して生活できるように、環境問題を解決していかなければならないと思う。もちろん経済と両立させることが大事だ。日本とアメリカは環境技術に積極的に投資している。世界で一番投資していると思うので、それがもっと国際的に知られたらいいと思うし、その結果、各国の政策が調整して進められると思う。

──北海道・札幌の印象は。
札幌は初めてではないが、滞在生活は去年の9月から始めたばかりだ。都市としては非常に住みやすいと思う。北海道の皆さんは自分で評価はしていないと思うが、住みやすいし、美術や文化施設も結構あるし、広くてきれいな環境にあると思う。以前は観光で来て、自然がきれいだという印象が特に強かった。今回は、やはり自然の中で生活ができるという、環境に恵まれた円山に住んでいるが、玄関を出たらすぐ公園があって、散歩や山登りができる。神社の中を通って散歩をするのはいい運動になるし、朝早くから鳥もたくさん来て、気持ちがいいところだ。

──北海道の観光客を増やすためにどこに力点を置いたらいいと思うか。
少し変わった見方となるかもしれないが、地元に住む人たちが生活を楽しめれば、観光は後からついてくるものだと思っている。地元の人たちが公園やキャンプ施設などに入りやすいようにすれば、観光で外から来る人たちも同じように楽しめるのではないかと思う。

北海道観光では、スノーシューやスキーなどをもっと気軽に体験できるエコ・ツアーがあればいいと思う。ホテルに泊まって、ゆっくりと縄文遺跡の跡を見ながらハイキングができるツアーとか、アイヌ文化を取り入れたツアーを考えたらいいと思う。アイヌ文化については、日本に先住民がいたことさえ分からない人もいるが、19世紀以前に本州から人が来たという交流の歴史がある。また、北海道には海外から来た人もいるし、貿易や経済の歴史も非常に面白い。そういう歴史と自然を生かすべきだと思う。例えば、アイヌの人たちの冬の生活はこうだったとか、ニシンの歴史はこうだったとか、エコ・ツーリズムの中で、歩きながら紹介すると面白いと思う。

また、言語(英語)も大事だと思う。ホテルなどの施設では、働いている人たちは親切だが、英語の力をつけるためにも、地元の観光協会で研修に力を入れたらいいと思う。そんなに難しいことは必要ない。例えば、アメリカのノースカロライナ州の海岸にはたくさんの島がある。そのあたりはカヌーやシーカヤックが、スキー場のレンタルみたいに手ぶらで行っても体験できる。ロッジを予約して1泊して、昼間はカヌーやシーカヤックを体験して、夜はロッジに戻っておいしい食べ物を食べる。温泉にも入れるので、たくさんの観光客が来る。北海道も地元の魚とか野菜を自慢にして体験観光やエコ・ツアーを工夫すればいいと思う。

ただ、アメリカから来る人たちの壁になることは、航空運賃の高さだ。時差もあるが、まだまだ航空市場が開かれていない。国外の航空会社は自由に飛ぶことが限られている。また、インドネシアに行ったときに、ナショナルジオグラフィックのエコ・ツアーを担当した人と話したことがあって、彼が言っていたのは、海外の観光客を集めるためにはウェブサイトを統一化した方がいいということだった。だから、北海道観光のウェブサイトに入ったら、エコ・ツアーとかバイク・ツーリングとか全部の情報をひとつのところに集めて、ポータル化した方がいい。そこから予約ができると便利だ。

アメリカやヨーロッパなど西洋の人たちはアジアの観光客と違って団体では旅行に行かなくて、1人とか家族で行くから、ウェブサイトの中から自分で面白いツアーを探して選ぶことができると便利だと思う。観光は地元の協力がないと成立しないが、サンフランシスコなどでは大きな会社ではなく、地元の農家がレストランやホテルと手を組んで施設をつくるなど、個人が経営している会社が頑張っている。観光が盛んになると土地の価格が上がって農家が持続できなくなる心配があるが、アメリカでは、土地を売らなければならない場合は、トラストをつくってその土地を買い、農業をしている人たちが生きている間は続けてもらい、彼らが亡くなったらトラストのものになるという仕組みになっている。そのトラストの仕組みで観光地の自然を守ってきた。北海道もそういうことを考えたらいいと思う。

──PRを。
1週間くらい用意しなければならないが、シカゴからセントルイスまでルート66を車で走ったらいいと思う。シカゴもセントルイスもとても面白い場所だ。美術の施設もいいし、食べ物もおいしいし、野球も面白いと思う。西海岸でもなく、東海岸でもなく、中西部にぜひ行ってみてほしい。

【プロフィール】
ダーナ・ウェルトン氏 米国ノースカロライナ州生まれ。ワシントン国務省、韓国の在ソウル米国大使館、大邱市のアメリカ文化センターなどに勤務。日本では在東京米国大使館や福岡と名古屋の各領事館で勤務した経験がある。前任地はインドネシアの在ジャカルタ米国大使館で、文化担当官を務めた。


【聞き手・石子彭培】
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